2015.09.07
安田不動産株式会社
「90㎡、吹き抜けのある螺旋階段タイプのメゾネット」という言葉の解放感には、残念ながら到底及ばない圧迫感に占められた既存状態。また、不動産の査定評価においては当たり前に「メゾネット」はマイナス評価をされやすい・・・本当にそうだろうか?
「メゾネットにしかできないこと」を志向し、本物件を通してメゾネット特有の豊かさを追求した。
住宅における「当たり前」のバイアスを外し、いくつかの「気づき」を散りばめた――
【1. 性格の違う空間の共存】上下で分かれるからこそ、プライベートとパブリックの境界としてはもちろん、性格の違う2つの空間を共存させることができる。
【2. 階段を主役にする】螺旋階段を「上り下りが面倒…」というネガティブな脇役から、大黒柱のように主役へ。色を加えたり、植物を巻きつけたり、踏面の色を着せ替えたり…自由なキャンパスに見立てる。
【3. 家の中に木陰】マンションのサイズ感やイメージには似つかわしくない、背の高い大きな植物や木を家の中に置いてみる。
【4. 空間の仕切り方】物件情報の確認には、通常平面図を眺めながら間取りや広さ、明るさを読み取るが住空間は立体的なもの。
平面図で見れば壁にしか見えないものも、立体的な視点で見れば多種多様な「仕切り方」がある。
[4-1]視線を遮る:天井まで壁を立てきらずに途中でやめてみる。すると、視線は遮りながらも音や気配、光は抜けるため空間の広がりは残る。
[4-2]光だけ通す:半透明ポリカーボネートの可動間仕切り。仕事をする時は雑音は遮断したいが、閉鎖的にはなりたくないから、光だけ通す半透明がちょうどいい。
[4-3]可動収納:場所も使い方も柔軟な可動収納を仕切りとして使う。
【5. 音】吹き抜けの開放感を実感するのは、見上げた時よりも、“音”を感じたふとした瞬間かもしれない。
音響設備を上階部分に設置し、音が吹き抜けを通って空間全体に降り注ぐかのような、「音のめぐる家」へ。
【6. 吹き抜け越しのプロジェクター】
吹き抜け越しにプロジェクターから投影される映画―――
メゾネットだからこそ、メゾネットでなければ出来ない空間。
平面でなく立体的に―――音のめぐる家。
費用 | 1800万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
家族構成 | ||
築年数 | 22年 | 面積 | 90.96㎡ |
施工期間 | 3ヶ月 |