2015.08.25
株式会社空間社
古さを良さに変えるリノベーションの魅力を再発見した事例。
受け継いできた建物や空間だけでなく、解体された建材にも新たな可能性を見出し両家の思い出たちがコラボレーションした『家族のつながり』を感じられるリノベーションとなった。
奥様の祖父の家であるマンション1階のオーナーズ仕様の住宅を取得したご夫妻。
オーナー住居・賃貸住居と二世帯に別れていたフロアを一世帯仕様に造り替え、充実の間取りと好みの仕様にリノベーションするご希望で問い合わせを頂いた。
建物はしっかりしているが室内の老朽化が進み、古い間取りの各部屋は細かく分断されていたため、室内はスケルトンフルリノベーションを行い、専用庭にはウッドデッキを設ける計画となった。
お料理好きのご夫婦のキープランは「人が集ってホームパーティーを楽しくできる空間」。
広いLDKの中心には幅2840mmのアイランドキッチンとオリジナルのダイニングセットを造作した。
キッチンとバックセットのカップボードはIKEA社のオーダーキッチンと既製品の収納に、塗装と造作を組み合わせてコストダウンを計った。
また、ご夫婦の沢山ある蔵書を収納できる壁面本棚をタモ集成材で造作した。
本棚には通用開口を設け、奥には大容量のパントリースペースを配備。
壁面本棚の隣には、「空間に対して背を向ける事に違和感があるので(笑)」と話すご主人のこだわりから、対面式のワークスペースを造作した。
水回りのタイルや洗面の水栓、スイッチプレート、キッチン扉や壁面塗装色のカラーリングなど細部至るまで、奥様がネットで探されたイメージ画像を元に商品選定した。
フローリングは温かみと独特の表情を持つラスティックオーク材を使用している。
そして、ご主人様のご実家で廃棄寸前だった壁に利用していた味わいのある青森ヒバを建材として再利用。状態のいいものを厳選し、ワークスペース腰壁やパントリーと廊下の天井に使用。
奥様の先代から受け継いできた建物を大切にし、両家の思い出たちがコラボレーションした『家族のつながり』を感じられるリノベーション空間が完成した。
ご自身が小さい頃に使っていた木製のベビーチェアを、引っ越しの度に一緒に連れていくのだと語っていた奥様。その他にもご実家で使用していた味わいのある家具が新しい家になじみ、大切に使われている。思い出や歴史のあるものが心地いいのだという。
古いものを大切に、次の世代にも引き継いでいくことが可能なのがリノベーションの魅力だと改めて感じられた。
費用 | 1650万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | 二人暮らし |
築年数 | 50年 | 面積 | 96.00㎡ |
施工期間 | 2ヵ月 |