リノベーション事例

2015.08.15

こどもたちの駅前ひろば『ホシノタニ団地』

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株式会社ブルースタジオ

小田急線座間駅。駅前ロータリーとプラットホームに隣接してその4棟の階段室型団地建物は建っている。土地建物の所有者は小田急電鉄。従前の機能は電鉄職員の社宅。1965年と1970年築の南側の2棟は耐震強度が充分でないとして既に使用されておらず、敷地は鋼板の仮囲いに覆われていた。
建物の老朽化から社宅の閉鎖に伴い、リノベーション賃貸住宅を検討することとなった。
駅前にずらりと並ぶ団地の姿は座間の街の印象を形作ってしまう。駅前から人の住まわぬ建物が並ぶ街の印象が良いはずがなかった。ただしそのネガティブな印象は裏を返せば使われ方次第で全く反対の好印象を強烈に打ち出す事が出来るということだ。建物だけでなく座間という街全体の価値を根底から変える事の出来る建物たち。私たちの眼にはそんな高いポテンシャルを秘めた建物に映った。

人と人、人と街がつながる駅前団地
座間の駅近辺は自然環境が豊かで地形も起伏に富み、また古八王子街道の宿場町として昔ながらの町並みが残り、星谷寺、鈴鹿明神社など千年以上の歴史をもつ社も健在という多様な文脈の宝庫だ。この街だからこそ感じてもらえる、「暮らしの物語」をデザインすることが可能なはずだ。駅前に団地があるという特殊な状況を活かし。
私たちは団地の豊かな外構部分を、あえて車が進入しない「みんなが集う駅前広場」。と見立てた。
駅前とはそもそも世代を超えて人々が集うことの出来る場のはず。であれば駅前に建つ団地(広場)の1階部分には様々な公益施設を誘致する。駅前だからこそ、アスファルトの広場でないからこそ存在し得る公益施設を。子育て支援施設、貸し農園、農家カフェ、コミュニティーキッチン、芝生の築山。そしてこれらの施設の全てを街の人々のために解放する。団地住民だけのものではない。
車のいない駅前広場には子どもの笑い声と人々のおしゃべりが満たされる。
世代を超えた人と人の賑わいと対話。それはあたかも星と星をつないだ星座や銀河が煌めく様。
「いさま」(座間)の古刹星谷寺には昼でも満天の星を映すという伝説の井戸がある。その千年の歴史を受け継ぐ団地。その名は「ホシノタニ団地」。

費用 物件種別 マンション
リノベーション
形態
家族構成
築年数 59年 面積 37.38㎡
施工期間 2014年11月〜2015年6月

備考

統括・建主:小田急電鉄
企画・基本設計・設計監理監修:ブルースタジオ
設計・施行:大和小田急建設

お問い合わせ先

株式会社ブルースタジオ

〒104-0045 東京都中央区築地4-5-9 築地安田第2ビル4階

TEL:03-3541-5878

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