2026.08.31
株式会社まごころ本舗
新潟市東区有楽、昭和46年築の中古住宅。土地は72坪と広いが、道路いっぱいまで建物が迫り駐車スペースが無く、奥行きの深い敷地形状から分割売却も難しい。解体して更地にしても造成費がかさみ、扱いにくい物件だった。バス停まで42m、小中学校や商業施設も近く好条件でありながら、建物の形が値を下げていた。
加えて建物自体も不正形で、そのまま耐震改修すれば補強箇所が増え、大掛かりな工事になることが目に見えていた。私たちは道路側を減築し、建物を正形に整えながら駐車スペース4台を確保。延床103.50㎡、3LDKの間取りを保ちながら、改修範囲とコスト、難易度を同時に抑える計画とした。
だが、耐震改修は設計図面通りに進めれば安全とは限らない。この建物は本当に「設計通り」の固さを持っているのか。答えを確かめる方法は、ひとつしかなかった。測ることだ。
上部構造評点◯◯。既存住宅の耐震性を測る「建物の固さの設計値」である。設計値だけで安全と言えるのか。新築であれば設計通りに施工されるが、既存住宅の耐震改修は建物の傾きや構造材の寸違いなど予期せぬ事態が多く、必ずしも設計通りにはいかない。正しく施工できているのか、答えを確かめるため、まず測定、そこから始めた。
建物と地盤の常時微動を測定すると、地盤の固有周期は0.25と比較的固い地盤だった。一方で建物の固有周期は0.61と柔らかく、想定より耐震性が不足していることがわかった。
さらに建物は不正形で、そのまま耐震改修を行おうとすると、補強箇所が増え大掛かりな工事になってしまう。そこで道路側を減築することで建物の形を整え、耐震改修の範囲を絞り込み、施工のコストと難易度を下げた。
耐震性(建物の固さ)は大切だが、地震は繰り返すことも考えなければならない。耐震性は上部構造評点1.20まで向上させ、時刻歴応答解析で層間変形角を検討したうえで制震ダンパーを設置し、層間変形角1/36まで高めた。
完成後に再測定すると、建物の固有周期は0.09。耐震等級3以上に相当する「固さ」を実測でも確認できた。
安全な建物をつくるのは、新築だけではない。施工前に測って改修方針を見極め、完成後にも測って施工の正しさを確認する。その積み重ねが、お客様に正しく建物の状態を説明できる根拠になる。
| 費用 | 1980万円(税込) | 物件種別 | 一戸建 |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | |
| 築年数 | 55年 | 面積 | 103.50㎡ |
| 施工期間 | 6カ月 | 構造 | 木造 |
BEFORE 5DK
AFTER 3LDK