2026.08.31
株式会社まごころ本舗
結婚後、新潟市郊外の賃貸で暮らしていた夫婦は、より利便性の高い街なかへの住み替えを考え始めた。マンションを軸に2年ほど探したが、なかなか条件に合う物件に出会えなかったという。
その間、奥様は不動産会社に転職。中古住宅を買取り、リノベーションして販売する仕事を通じて、海にも街にも近い、まさに希望通りのエリアの一軒に出会った。
その家は、増築された車庫や多すぎる間仕切りで薄暗く、解体前提の「古家付き土地」として売りに出されていた。夫婦はまず、自分たちの手で残置物の撤去から始めた。
築57年、住まいとしては誰もが二の足を踏むような状態。それでも二人は、この場所で暮らす未来を選んだ。しかし構造上、階段の位置だけは動かせない。暗さの原因でもあったその制約を、どう乗り越えるかが、リノベーションの出発点になった。
元々、階段の両側にあった壁が、この家でいちばん重い制約だった。構造上動かせないその位置を活かす方法はないか——行き着いた答えは、階段そのものを光の通り道にすることだった。
蹴込み板のないスケルトン階段に変え、可能な限り壁を撤去。2階の高窓から差し込む光は、階段を伝って1階まで届き、時間帯によって壁に光のラインを描き出す。「改築前は暗い雰囲気でしたが、天井が高く明るくなりました」とご主人。階段を中心にぐるりと回遊できる動線は、暮らしの移動をスムーズにしただけでなく、家族の気配がどこにいても伝わる距離感も生んだ。
性能面も妥協しなかった。基礎と躯体だけを残すスケルトン解体を行い、耐力壁を1カ所に集中させずバランスよく配置したうえで制震ダンパーを設置し、上部構造評点1.09を確保。断熱はグラスウールと付加断熱、樹脂窓、第1種換気システムでUa値0.31・C値0.55まで高めた。「室内の温度が安定しているからか、観葉植物がよく育っています」と奥様。
夕日を見に海まで歩いたり、仕事帰りに街で買い物をしたり。「理想的なエリアでの暮らしに満足しています」と奥様は話す。利便性を求めて2年探し続けた末にたどり着いた、この家だからこそ叶う暮らし方がある。
動かせない場所を、いちばんの魅力に変える。それがこの家のリノベーションだった。
| 費用 | 2500万円(税込) | 物件種別 | 一戸建 |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | 二人暮らし |
| 築年数 | 59年 | 面積 | 122.55㎡ |
| 施工期間 | 4カ月 | 構造 | 木造2階建て |