リノベーション事例

2026.08.31

建物の運命を変え、街の動線を変える。折衷美のおびにたすき

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paak design株式会社

宮崎県日南市飫肥。重要伝統的建造物群保存地区に隣接する「旧梅村邸」は、大正15年の建築から100年間、住居として静かに時を重ねてきました。外観は洋館でありながら、内部には和室が入れ子状に配置され、洋のメーターモジュールと和の本間モジュールが共存する、非常に特異で貴重な「和洋折衷」の造りを持っています。
しかし、20年前から空き家となり解体の危機にありました。そこで私たちPAAK DESIGNが土地ごと引き取り、梅村家が代々つないできた「家族の住居」としての歴史にピリオドを打つ決断をしました。それは、失われゆく地域の文化遺産を救出し、一族のプライベートな空間から、街の未来を担うパブリックな空間へと、この建物の運命を大きく変える挑戦の始まりでした。

事業コンセプトは「おびにたすき」。「帯に短し襷に長し」の中途半端さを、両極端を避けて良い部分を織り交ぜる「折衷」の価値へと転換し、建築空間における「折衷美」へと昇華させました。伝統様式と現代デザイン、西洋と日本を対比し、織り交ぜることで新たな魅力を生み出しています。
外装、内装、外構の全面的な改修を経て、建物は新たな役割を得ました。1階は地域の日常的な食を支えるパン屋に、2階は地域の暮らしを体感する宿泊施設へと生まれ変わります。空間には、現代的な意匠として新たに加えたガラスや鉄と、飫肥石、漆喰、瓦、そして失われゆく建物から救出した古建具や古材といった歴史を宿す素材を、緻密な設計手法で組み合わせました。
随所に散りばめられた懐かしい素材やしつらえは、地元の人には安らぎの「日常」となり、観光客には新鮮な「非日常」として映ります。逆に、普段の風景に現代的なデザインが介在することで、地元の人にとっても心地よい非日常が生まれます。
この場所で多様な人々が交差することで、地域の遊休資源が息を吹き返し、新たな経済循環が始まります。失われゆく風景の欠片を集め、地域文化のたすきを未来へ繋ぐ。一棟の建物の再生にとどまらず、街の歩き方、そして街の運命をも変えるリノベーションです。

費用 9900万円(税込) 物件種別 一戸建
リノベーション
形態
中古を買ってリノベーション 家族構成 その他
築年数 100年 面積 161.06㎡
施工期間 14ヶ月 構造 木造2階建て

間取り

BEFORE 4DK(1階)

AFTER 店舗

お問い合わせ先

paak design株式会社

〒889-2535 宮崎県日南市飫肥5-2-18 2F

TEL:0987-55-0088

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