2026.08.31
G-FLAT株式会社
湊川一帯は約100年前、ハイカラな繁華街として栄華を極めていた。いまの湊川エリアにもその歴史が少なからず息づいており、中心部に近い利便性と下町の雰囲気に惹かれ、昔から住む世代に若い世代やクリエイターが混じって多数居住している。
隣接する商店街は500もの店舗がひしめき、近隣の買い物客やプロの料理人が頼りにする“神戸の台所”。その商店街内にインキュベーション施設を作るにあたって大切にしたのは、湊川の街の縮図とも言える空間にすることだ。川をイメージした青いラインを採用し、山と海をつなぐように「人の縁をつなぐ場」を目指した。地元メーカーを中心に、神戸らしい素材やデザインも積極的に取り入れた。
“神戸の台所”と呼ばれ、500店舗がひしめく昔ながらの商店街。その一角が、神戸市の新たな起業家育成の拠点となり、起業家と街が交流して“縁”を育てるインキュベーションオフィスへと生まれ変わった。
当社の設計は、一つの大きな「問い」から始まった。「起業家を育てる施設に求められるのは、オフィス空間を用意することだけだろうか?」。リモートワークが定着し、SNSの普及で交流がデジタル中心になる一方、若手もベテランも、起業当初は孤独や不安を感じやすいことに着目した。ここに入居しても、それまでの「家で一人」が、「オフィスで一人」に変わるだけでは意味がない。必要なのは、「一人で仕事をしていても孤立しない環境」ではないか。
一方、にぎわいをみせる商店街であっても、交流のデジタル化が進む今、商店同士の関係性も希薄になっているという課題がある。
そこで、「4つの個室と会議機能を備えたオフィス空間」という与件に留まらず、リアルな交流が自然と生まれる“状況”を設計した。一番の特徴は、正面に置いたミーティングスペース。それにより、商店街の人たちや買い物客が関心を持って立ち寄り、場に集う人と人の“縁”が新しく生まれつつある。
100年にわたって“商い”でにぎわう商店街で、“縁の場”を編むことを大切に起業家の“卵”を育てていく。「商店街✕インキュベーション」の挑戦は始まったばかりだ。
| 費用 | 物件種別 | その他 | |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
その他 | 家族構成 | その他 |
| 築年数 | 0年 | 面積 | 54.82㎡ |
| 施工期間 | 2ヵ月 | 構造 | RC造 |