2026.08.29
株式会社アートアンドクラフト
近年、水道インフラの整備により、マンションの給水方式が、タンクに貯めて給水する「受水槽方式」から、水道本管から直接蛇口に給水する「直結給水方式」へと切り替わるケースが増えています。
本物件でも築50年になるタイミングで給水方式を見直し、それに伴い、役目を終えた受水槽室を活用したいという声から始まったのが今回の計画です。
たった3坪という狭さに加え、採光や換気の条件も厳しく、住居や事務所として再生するには居住性や法規面で多くのハードルがありました。また投資とのバランスを考えても、一般的なリノベーションでは事業性を見出しにくい空間でした。
こうした「使われなくなった空間」は今後も都市の中で生まれます。コストをかけて欠点を補うのではなく、その特徴を価値へと転換する方法を考え、「倉庫」という用途から新たな可能性を探ることにしました。
たった3坪の使わなくなった元受水槽室。特徴としては狭くて暗い、一見悪条件に思えますが、倉庫としては好条件ではないか。そこで考え出した企画が「オトナのための進化系トランクルーム」でした。
都心部では高くなる物件価格や賃料、今までと同じ予算で住める面積はだんだんと小さくなっています。暮らしは小さくなっても、大切な趣味やコレクションまで手放したくはない。そんなオトナに向けた、家でも職場でもない第3の居場所です。
トイレや洗面など最低限の水回りがあって作業や一時的な滞在ができる。エアコンや熱交換形換気機器を設置した大事なものの保管庫にも安心な空調・湿度管理もできる機能性など、単なる倉庫とは違い、趣味を楽しむためのトランクルームです。
賃貸の募集期間はたった10日間でしたが、複数の問い合わせと3組の申込がありました。
入居したのは趣味のコレクションが多い男性。自宅には置ききれないフィギュアやポスター、レコードなどを詰め込んで、愛でています。
たった3坪、そんな小さな余剰空間が入居者の生活をはるかに豊かにし、オーナーにとっても収益を生み出す空間になりました。
世の中には受水槽室に限らず、機械室跡や地下倉庫、屋上のペントハウスなど設備の進化やライフスタイルの変化により生まれた小さな余剰空間がまだまだあります。そんな活用方法の一つとして提案したい一例です。
| 費用 | 350万円(税込) | 物件種別 | その他 |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
リノベーション賃貸 | 家族構成 | その他 |
| 築年数 | 50年 | 面積 | 10.60㎡ |
| 施工期間 | 2ヶ月 | 構造 | RC造 |