2026.08.28
株式会社ニューユニークス
13年前に購入した、約100㎡のタワーマンション。都市や空を見渡す眺望を持つ一方、地面や街からは切り離され、内と外の境界も明確な住まいだった。
現在は3人の子どもと、2匹の愛犬と暮らすKさん一家。2LDKという間取りは、5人家族となった今の暮らしには少しずつ合わなくなっていた。
いつかは、今の家族の暮らしにも、自分たちの好みにもフィットする住まいにしたい。奥様が憧れていたのは「JAPANDI」というスタイルだった。
家族だけでなく、多くの友人が訪れるK邸。大勢が集まっても自然と居場所や会話が生まれるよう、団らんの場が随所にあり、互いの気配を感じながら過ごせる居心地のよさも大切にしたいと考えていた。
現代のマンションの住環境に、家族が求める居心地をどうつくり、「JAPANDI」をどう建築として描くか。K邸の住まいづくりが始まった。
JAPANDIとは、日本の「侘び寂び」や伝統美、北欧の温もりある「ヒュッゲ」なスタイルを融合させた、人気のインテリアスタイルである。
言葉にすれば明快だが、いざ空間に落とし込むと、その輪郭は途端に曖昧だ。和と北欧を、どこで、どう掛け合わせるのか。K邸でデザイナーが導き出した答えはシンプルだった。
“空間の成り立ちは日本家屋に倣い、素材と色彩は北欧の文脈へと置き換える”。
日本の民家には、土間や縁側のように、内と外のどちらにも属しきらない「あわい」がある。境界でありながら、人の居場所にもなる空間だ。K邸では、LDKをグレーのシームレスな床でつなぎ「現代の土間」とした。オークで仕立てた小上がりを配置し、窓辺には縁側のようなベンチを設けている。畳こそないものの、腰板付きのガラス引戸や、くれ縁のような廊下が日本家屋を想起させる。木は杉や檜ではなく、一貫してオークを採用。低彩度のグレーと組み合わせることで、日本家屋の構成に北欧らしい空気感を纏わせた。
K邸におけるJAPANDIとは、和と北欧の意匠を表層的に組み合わせることではない。日本の住まいに根差す「あわい」の空間構成を、素材や色彩、ディテールによって現代化する。その先に、K邸なりのJAPANDIが生まれた。
スタイルを示す言葉から、どんな建築を導き出すか。その解釈にこそ、設計者の意思が宿る。
| 費用 | 3310万円(税込) | 物件種別 | マンション |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
持ち家のリノベーション | 家族構成 | ファミリー |
| 築年数 | 18年 | 面積 | 97.62㎡ |
| 施工期間 | 4.5ヶ月 | 構造 | RC |