2026.08.28
株式会社大城
鹿児島市内に建つ、築48年のRC造3階建てマンション。約36㎡の住戸は、台所と二つの和室、ホールを壁や建具で細かく仕切った昔ながらの間取りでした。内装や設備には築年数相応の古さがあり、低く張られた天井も相まって、限られた床面積をさらに窮屈に感じさせていました。一方でRC躯体の状態は良好。解体前の調査で着目したのは、その低い天井の上に眠っていた大きな空間でした。「36㎡しかない」と床面積だけで考えるのではなく、これまで使われていなかった“高さ”も住まいの一部にできないか。平面ではなく立体で考えるリノベーションが始まりました。
36㎡という限られた空間を床面積ではなく「体積」で考えました。既存の天井を撤去して現れた高さを室内に取り込み、住戸の中心には寝室となるロフトを挿入。ロフト下もLDKとして利用することで、ひとつの場所に上下二つの居場所を重ねました。
さらに「靴のまま家の奥まで歩ける住まい」というオーナーの発想から、玄関で内と外を分ける従来の考え方をやめ、玄関から窓際まで続く約9帖の土間リビングを計画。その中に、靴を脱いで過ごすLDKをひとつの“箱”のように浮かせました。壁で部屋を仕切るのではなく、床の高さや素材、ロフトによって緩やかに居場所を分けています。
RCの梁はあえて現し、OSBや無垢材、針葉樹合板など素材そのものの表情を生かしました。廊下には木の胴縁と棚板を設け、住み手がDIYで手を加えられる余白も残しています。
2DKという既成の間取りをほどき、36㎡を平面から立体へ。工事中に入居者が決まり、その個性が賃貸住宅としての新たな価値にもつながりました。
| 費用 | 660万円(税込) | 物件種別 | マンション |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
リノベーション賃貸 | 家族構成 | 一人暮らし |
| 築年数 | 48年 | 面積 | 36.47㎡ |
| 施工期間 | 3ヶ月 | 構造 | RC造3階建て |