2026.08.27
株式会社ブルースタジオ
好きだった街を、二人はいつも手放してきた。同級生だった二人は結婚後、夫Nさんの転勤で静岡、北海道、そして東京へ。そのたびに妻Mさんは住み慣れた土地を離れ、新しい街に暮らしを合わせ直した。
出身は、緑に囲まれた岐阜県飛騨地方。「人が多すぎる都会は暮らす場所ではない」というのが、もともと東京へのイメージだった。けれど住んでみると街ごとに表情が違い、いつしか「住みたい街」に変わっていった。転勤族が珍しくないいま、住む場所を選び直せることは、実は大きな一歩でもある。
1年かけて選んだのは、下町らしい個性が残る東側のエリア。築46年の中古マンションを見つけたが、水回りは狭く構造上変えられない。テレワークが日常になったいま、家は眠る場所ではなく、働き、くつろぐ拠点になっている。何度も場所を変えてきた二人が、初めて「二人らしい基地」をゼロからつくろうとしていた。
二人が選んだのは、ものを隠し、視線を整えることで、暮らしそのものを静かに見せる家だった。リビングとキッチン・ダイニングをあえて分け、リビングにはお気に入りのパーソナルチェアを2脚だけ。まるでラウンジのような、余白のある空間に仕上げた。
代わりに広くとったのは寝室。大きめのベッドと並んで、デスクと収納が一体になった造作家具を置き、ワークスペースとしても使えるようにした。テレワークが特別なことではなくなったいま、「働く場所」を暮らしの奥にそっと組み込んだこの間取りは、二人の日常の輪郭そのものだ。この造作家具だけは、費用を抑える工夫として、二人の地元・飛騨の家具屋「飛騨フォレスト」に発注した。転勤を重ね、故郷から離れて暮らしてきた二人だからこそ、木のぬくもりを、あえてこの家に持ち込んだ。
さらに、玄関そばのウォークスルークローゼットに洗濯機を移し、「洗濯機は洗面室にある」という当たり前を外すことで、水回りに余裕を生んだ。黒・白・グレーで整えた家の中で、木のデスクだけがあたたかく浮かび上がる。何度も住む場所を変えてきた二人にとって、ようやく完成したのは、故郷ともつながりながら、二人だけの時間をきちんと持てる家。2026年、暮らし方も働き方も変わり続けるいまだからこそ、この家は次の時代のスタンダードを静かに示している。
| 費用 | 2400万円(税込) | 物件種別 | マンション |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | 二人暮らし |
| 築年数 | 0年 | 面積 | 60.80㎡ |
| 施工期間 | 6ヶ月 | 構造 | RC造 |
お問い合わせ先
〒104-0045 東京都中央区築地4-5-9 築地安田第2ビル4階
TEL:03-3541-5878