2026.08.21
クジラ株式会社
子供が3人になり、住んでいた賃貸マンションが手狭になった。
京都市西京区、築60年とは思えない手入れの行き届いた、木造戸建てを見つけた。広さは143.12㎡。一階だけでも十分な広さがあり、縁側も残っている。夫婦の理想を作るのにぴったりの物件だった。
二階は大きく間取りを変えずに、その分一階に予算を集中させることができた。
しかし、「毎日顔を合わせる動線プラン」と「キッチンが主役になる広いリビングプラン」がなかなかひとつの間取りに落ち着かなかった。
そこで、制約のひとつであったお風呂などの水回りの位置を動かさないことを検討したことで、「理想の第3プラン」が誕生した。
お風呂へ続く土間ステップも、きっと新築なら作られることはなかっただろう。
「写真を撮るのはお好きですか?」
目指したのは、写真映えする家ではない。思わず写真に残したくなる日常が続く家だ。
そのためにまず、家族が顔を合わせる動線にした。「成長するにつれ、あまり会話しなくなる気がして。それでも絶対リビングには来てほしかった」と夫婦。そこで帰宅して手を洗う時、自分の部屋に行く時、どこへ行くにも必ずリビングを通る間取りに。──ほんの数秒。毎日顔を合わせるための十年先を見据えた決断だった。
次に家族の目線を合わせた。この家の中心となるコの字型キッチンは、作業台とダイニングテーブルが一枚の天板になっており、キッチン側の床を一段下げることで立つ人と座る人の目線が合いやすい。ご飯の支度をしたり、時には宿題をしたり。会話が途切れにくく、また話さずとも自然とお互いの様子が目に入る。
そして仕上げに「フレーム」を置いた。LDKを広げることもできたが、敢えて土間との間に框引き戸を設け、フリールームにもアーチ開口で空間に区切りを入れた。土間にはステップを作り、扉は目を惹くグリーンに。こうした「フレーム」があることで、日々流れていく家族の姿がワンシーンずつ切り取られていく。
まだ幼い3姉妹のいるこの家族は、座る間もないほど忙しない。それでも子供が土間で遊んでいると、わざとガラス引き戸を閉めて写真を撮るという。家で撮る写真が、いちばんいい顔かもしれない。
| 費用 | 2500万円(税込) | 物件種別 | 一戸建 |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | ファミリー |
| 築年数 | 60年 | 面積 | 143.12㎡ |
| 施工期間 | 150 | 構造 | 木造 |