2026.08.18
株式会社ニューユニークス
独立したキッチン。使われていない個室。老朽化した設備。
これまで家族の暮らしを支えてきた築25年のマンションには、夫婦二人暮らしとなった今、いくつかの課題が残されていた。
「今は野球くらいしか共通の話題がなくて(笑)。リノベをきっかけに、一緒に料理を楽しんだり、アートの話をしたり。そんな時間が増えたら、会話も自然と増えるかなって」。
今回、計画の中心となった息子は、かつてnuリノベーションでデザイナーとして住まいづくりに携わり、現在は自らが設計したカフェを経営している。
これまでの経験はもちろん、旅先で訪ねてきた北欧を中心とする建築家の自邸で感じた心地よさも手がかりに、両親と何度も対話を重ね、両親のこれからをリノベーションで形にしていった。
息子が両親へ贈ったのは、家そのものではない。自らがこれまで培ってきた知恵や経験を注ぎ、両親の“これから”を描くことだった。
25年前に購入した、ファミリータイプのマンション。子供が独立し、夫婦二人となった日々を心地よく過ごせるよう、かつて設計士をしていた息子が中心となって、デザイナーとともに計画を進めていった。「ただ新しくするんじゃなくて、暮らしそのものをもっと楽しめるようになってほしかったんです。家を好きになれば、ライフスタイルや芸術にも自然と興味が広がって、新しい趣味が見つかるかもって」。
家族が最も大切にしたのは、ダイニングキッチンの居心地。以前は閉鎖的だったキッチンは壁付けで造作し、明るい光を感じながら一緒に料理を楽しめる場所へ。美しい赤みを帯びたモアビ材や、柔らかな色むらをもつタイルなど、素材の表情を丁寧に重ねることで空間全体に穏やかな温もりをもたらした。
休日の朝には、ご主人が淹れたコーヒーをダイニングでゆっくり味わう。「この光の中で飲むコーヒーはいいね」。何気ないひとときが、夫婦のお気に入りの時間になっているようだ。
お金やモノを贈るだけが、ギフトではない。自分が培ってきたものを、大切な人のこれからのために還元する。それもまた、ひとつのギフトの形なのかもしれない。その贈り物の価値は、これから積み重なる日々の中で、少しずつ深まっていくことだろう。
| 費用 | 1690万円(税込) | 物件種別 | マンション |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
持ち家のリノベーション | 家族構成 | 二人暮らし |
| 築年数 | 26年 | 面積 | 74.40㎡ |
| 施工期間 | 3ヶ月 | 構造 | RC |