2026.08.17
株式会社サンリフォーム(ハコリノベ)
築43年、78㎡の角部屋。既存は中央のLDKを個室が囲む間取りで、三方に窓がありながら、光や風、視線はそれぞれの部屋で行き止まり、角部屋ならではのポテンシャルを十分に活かしきれていなかった。
施主は、打合せ前から動線や収納、高さ、素材まで細かく書き出すほど、暮らしのイメージが明確だった。コレクションアイテムは目に入る場所へ、日用品は見えない場所に棲み分け。また、家の中をぐるぐると歩き回れる間取りは、愛犬にとってものびのびと過ごせる環境になった。
さらに、すべての窓にガス入りのインナーサッシを設置したことで、エアコン1台で家全体を賄える断熱性能も確保。
必要だったのは、部屋数を整えることではない。閉じた個室に光や風を留めることなく、好きなものと暮らしながら、家全体をひとつながりにすること。そこで、既存の「部屋は壁で区切る」という当たり前を一度ほどくことから始まった。
動線、収納、素材に至るまで、細かな要望をリストにしていた施主。カメラ、レコード、自転車、フィギュア。好きなものと暮らす景色がすでに頭の中にあった。そんな施主に提案したのは「家の真ん中に寝室」がある間取りだった。
角部屋ならではの窓から入る光や風、視線の広がりを閉じた個室だけのものにしたくない。寝室を外周から中央へ移すことで、窓辺をLDKとして大きく開放した。しかし、78㎡の真ん中に個室を置けば、家を二つに分断してしまう。ならば、閉じなければいい。
寝室を包むのは、大きなアールを描く中途壁。その周囲には、ぐるりと巡る回遊動線をつくった。寝室は家の中心にありながら、どこにも行き止まりがない。人だけでなく、視線も光も風も、その境界を越えて家全体を巡っていく。
曖昧にしたのは、寝室の境界だけではない。現しの梁やカチオン仕上げ、ステンレスの無骨さには、木やアールの柔らかさを重ねる。カメラやレコード、自転車は見せ、日用品は隠す。さらに、濃度の異なる3段階のグレーが、それぞれの場所を分けながら、ひとつの空間へとつないでいる。
仕切る/つなぐ。無骨/柔らかい。見せる/隠す。
相反する要素を重ね合わせながら、その「あいだ」を行き来する。寝室を中心に暮らしが巡る。白でも黒でもない、いくつもの曖昧な境界が重なったこの住まいを「gray zone」と名付けた。
| 費用 | 1700万円(税込) | 物件種別 | マンション |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | 二人暮らし |
| 築年数 | 43年 | 面積 | 78.00㎡ |
| 施工期間 | 3ヶ月 | 構造 | SRC造 |
お問い合わせ先
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