2026.08.04
株式会社リブラン
マンション1階は「暗い」「風が抜けない」と敬遠され、市場に滞留しがちな不動産ストックです。本物件も築25年という経年の中で、そんな1階特有の閉塞感を拭えずにいました。
最大の課題は、都心では希少な22平米の専用庭のポテンシャルが活かされていなかった点です。せっかくの庭も単なる空き地として切り離されていました。
約67平米の限られた面積の中、光の届かない空間や閉ざされた間取りをどう変えるか。緑を望めるという「既存の良さ」を活かしつつ、庭と室内をシームレスに繋ぎ、1階を「自然の一部になる」特権的な住まいへと反転させること。それが、このプロジェクトの出発点でした。
建築資材や新築価格の高騰で、住まいを選ぶ自由そのものが狭まっている時代。「暗い」「風が抜けない」と敬遠されがちな中古マンションの1階には、上層階にはない特権が眠っていました。リビングの延長線上に広がる「屋根のない部屋(専用庭)」です。私たちは多くの人が気に留めなかった場所に光をあて、不動産ストックの価値を新築以上のものへと反転させる。そんな手法をこのプロジェクトで導き出しました。名付けてLDKGプラン。DKとつなげたリビングから20㎡のプライベートガーデンへ。リビングのヒノキ無垢床とセランガンバツ材のウッドデッキは線と高さを揃えることで、室内から屋外まで一繋がりに結ばれました。また、決して広くはない面積だからこそ、器具の存在を消したフラットな天井をつくり、ダウンライトを埋め込まず、壁と天井の縁を切って生まれた「くぼみ」に照明を仕込みました。線と面がふっとほどけることで、そこに心地よい間合いと広がりが生まれました。玄関はあえて光を絞り、扉を開けた瞬間に明るいリビングが広がり、その先には緑が待っている。一歩進むごとに、自分自身が少しずつ自然の一部になっていく。そんな一連の「心理的な奥行き」を生む設計をすること。この1階リノベーションの手法をシステム化し、住まいを手に入れることが難しくなった今の時代にこそ、かつて「古民家」に存在した「自然と共生するくらし」を提案するものであります。
| 費用 | 1650万円(税込) | 物件種別 | マンション |
|---|---|---|---|
| リノベーション 形態 |
その他 | 家族構成 | |
| 築年数 | 25年 | 面積 | 67.36㎡ |
| 施工期間 | 3カ月 | 構造 | RC |