リノベーション事例

2026.07.06

ねむりをかもす。

  • 東海
  • 家全体

株式会社大京穴吹不動産

名古屋の繁華街・栄を南北に貫く久屋大通公園。その公園に面した一角に、本物件は位置する。緑豊かな街路樹が連なり一見落ち着いた印象を与えるが、人通りの多いエリアである。

改修前は、居間を住戸中央に据え、バルコニーと共用廊下側に個室を配した従来型の間取り。寝室利用が想定される部屋が外界にさらされ、居間は内側で息苦しく佇んでいた。

現代的な間取りへの刷新と物件価値の向上は、買い取り再販業者として当然の課題だ。一方で、眠りを主題に据えると、周辺環境を「断絶」する閉鎖的な計画に傾きがちになる。物件訴求の観点からも、街の賑わいや空気感は享受しながら、眠りを守る受け皿となるスペースを住戸内に取り込むプランが求められた。

外部音が迫る環境だからこそ、深い眠りへと誘う設計の輪郭が浮かび上がる。この逆境が「眠りを醸す」住空間の出発点になった。

日本人は、眠れていない——。

OECD(経済協力開発機構)の集計によると、日本人の平均睡眠時間は調査対象33カ国中最下位の7時間42分。暮らしの中で多くの時間を占める眠り。住空間には、その質を支える役割があると考える。

眠る時間そのものをリノベーションで増やすことは難しい。そこで、寝室までの数歩に心をほぐすひとときを挟み、深い眠りへ導くアプローチを試みた。想定する住まい手は、都市部で働く単身女性。遅くに帰宅し、就寝前のスキンケアや出発前のメイクアップと、ことさら睡眠時間の確保は容易ではない。

本計画における眠りへの動線は、リビングの一角に設けたカーペット敷の「Sleep Prep Zone」から始まる。ストレッチや読書で心身を整える場だ。収納エリアと共に外部音を和らげる役割を担い、バルコニーや共用廊下といった外界から寝室を離隔する。視線を和らげるアール壁、光の表情を整えて記憶するシーンコントローラーで、入眠から目覚めへのプロセスを紡ぐ。過度な設備投資に頼らず、空間構成によって眠りを守る計画とした。

快眠を支える住まいづくりは、まだ発展途上にあると思う。「睡眠後進国」とも言えようこの国で、眠りの質の醸成を図ったこの一室が、新たな再販モデルに加わることを願う。

費用 990万円(税込) 物件種別 マンション
リノベーション
形態
リノベーション済み物件 家族構成
築年数 45年 面積 58.94㎡
施工期間 3ヵ月 構造 鉄骨鉄筋コンクリート造

間取り

BEFORE 3LDK

AFTER 1LDK

お問い合わせ先

株式会社大京穴吹不動産

〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-18 オリックス千駄ヶ谷ビル

TEL:03-6367-0498

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