リノベーション事例

2025.09.17

築47年集合住宅の、サウナによる再生。

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株式会社リノリビング

かつてその建物は自主管理で修繕積立金もなく、大規模な改修も長年行われていない、「行き詰った集合住宅」の典型であった。外壁のタイルは剝がれ落ち、登下校する小学生からは恐れられ、当然安全性の懸念もあった。
7年前に建物を譲り受けてフルリノベーション。ネイルサロン、カフェバー、不動産設計・活用事務所を抱えつつ、細かな修繕を続けた。定期的なイベントで屋上を地域住民に解放するなど、建物は憩いの場として地域に親しまれてきた。
そんな中、長年住まわれていた最後の1室の住人が退去し、ついに総テナントのビルへ変化する契機が訪れる。立地の利便性から、テナント出店の希望者は多い。しかしながら、目の前の小学校への影響や、年月を経た建物の負荷を考えれば、安易な出店計画を容認するのは難しい。地域と建物に最適なテナントとは何か?そんな不動産活用の視点から、ふたたび建物を再生するためのプロジェクトが始まった。

築47年のRC造集合住宅をテナントビルとして再生して7年。当初は自主管理で修繕積立金もなく、いわば「行き詰まった集合住宅」からの再生であったため、維持には継続的な修繕と高い収益性の確保という課題が常につきまとった。二階の最後の住人が退去したことを機に、新たな収益の柱としてプライベートサウナ事業を計画。物件は小学校の目の前にあり、福岡の副都心・大橋にも位置する「街と生活のはざま」という立地。無計画なテナント誘致が地域に与える影響を避けるため、単なる空間提供ではなく、自ら需要を創出し、建物の持続可能性と地域消費の両立を目指した。
外観は変えず、看板も最小限に。完全予約制で不特定多数の出入りを排除した。子どもたちの目に映る風景は変わらない。この静かな共存こそこの地での事業成立の条件だった。内部では、既存の壁式構造を活かし二つのサウナ室を造作。西日本初採用の電気式ストーブで、安全性も確保した。中でも在来工法による水風呂は、築古転用テナントの限界を超える挑戦でもあった。防水性能の課題を克服し、一部をサウナ室に引き込むという国内でも稀な設計を実現した。
完成後、事業ノウハウの説明会を実施し、一歩踏み込んだテナント経営の啓蒙活動を行った。今夏には地域住民へサウナを開放するイベントも開催。かつて負債であった建物の1室は、今や安定収益を支え、地域ごと建物を未来へ維持するための礎となっている。

費用 2170万円(税込) 物件種別 その他
リノベーション
形態
その他 家族構成 その他
築年数 48年 面積 52.53㎡
施工期間 90日

間取り

BEFORE 3DK

AFTER 2 saunas

お問い合わせ先

株式会社リノリビング

〒815-0035 福岡県福岡市南区向野1-3-16 R-BLDG1F

TEL:092-554-2332

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