2025.09.16
株式会社アートアンドクラフト
1979年築、1フロア約80㎡の1〜4階と5階の塔屋からなるコンパクトなビル。大阪市内ではよく見かける規模感の建物です。もともとは金庫屋の事務所兼住居として使われており、内部はスケルトンの状態まで解体されていました。会社の歴史のおよそ半分を前事務所で過ごしてきましたが、このたび創業の地である大阪市北区へ、15年ぶりに本社を移転することになりました。
ビルまるごとリノベーションの実験場として、アートアンドクラフトの本社を移転しました。1階から4階までの各所には、定番から新素材まで幅広いマテリアルを採用。訪れるだけでリノベーションの可能性を体感できる、“リノベの総合デパート”を目指しました。
アートアンドクラフトではコロナ以前から、出社とリモートを組み合わせた働き方を実践してきました。出社率は日々変動し、「疎」と「密」を繰り返すため、柔軟に可変できる空間が不可欠でした。出社するたびに公園のように居場所を探し、業務内容に応じて空間を使い分けることで、多様なアクティビティとコミュニケーションが生まれる設計としています。
1階は街に開かれたシェアスペースとして計画。街の延長となる半屋外空間を生み出すために大胆にセットバックし、シェアキッチンやPOP UP STORE、トークイベントなどを展開。社員の副業の場としても活用し、街にフレンドリーな文化発信拠点となっています。
面積は前事務所の約2倍に拡張。業務上は必ずしも必要な広さではありませんでしたが、飲食店や物販店舗だけでなく、路面の事務所が街に開いていくことで、都市はより豊かな風景を描けるのではないかと考えています。特に設計・デザイン事務所のあり方として、新たなモデルケースとなることを期待しています。
費用 | 7000万円(税込) | 物件種別 | その他 |
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リノベーション 形態 |
その他 | 家族構成 | その他 |
築年数 | 0年 | 面積 | 320.54㎡ |
施工期間 | 4ヶ月 |