2025.09.08
株式会社ニューユニークス
第2子誕生を目前にマイホームの取得を決意したSさん。自らも設計の仕事に携わっていることから、「新品の既成住宅に住みたいという意欲はなく、最初からリノベーションを前提に考えていました」と振り返る。
そんなSさんがリノベ会社選びで重視したのは、見た目のデザイン性ではなく、玄人ならではの視点。建具の造り込みやコンクリート現しの塩梅など、一見当たり前に見えるデザインの中に、どこまで細やかなこだわりを感じられるかが決め手になったという。
デザイナーとのフィーリングが合ったことも心に残っているといい、「打合せの部屋に入ってきたときもデザイナー然としていて。立ち振る舞いがカッコよかったですし、お話ししていてこちらの気分も上がる感じがしました」と、Sさん。そんなSさんとデザイナーがともにつくり上げた空間は、私たちつくり手にとっても日本の心、日本の美を再認識させる空間となった。
北欧から見た日本建築の美しさを落とし込んだテイスト『ジャパンディ』。近年は日本でもそのスタイルが流行し、逆輸入のような現象が起きているが、S邸はそんな潮流に一線を画す存在と言える。
徹底して“和”を貫き、日本建築本来の美学を軸に据えた住まいを完成させたSさん。きっかけは、担当デザイナーが古民家リノベーションを得意としていたことを知ったご主人の、「それならば」の一言だった。
「我が家が目指すのはジャパンディではなく、和がベースの落ち着いた空間に、北欧のインテリアがある感じ」と語るご主人。自身も一級建築士であるSさんが、デザイナーと共に“和”に振り切った空間をつくり上げることを決断し、計画が一気に動き出した瞬間だった。
そんなS邸では、畳や障子など、日本ならではの素材で構成された空間に、北欧からやってきたアルテックやYチェアなどの名作家具が彩りを添える。あくまでも日本家屋の骨格を基盤に、まじりっ気のない純和の家を現代的に再解釈した。
茶の間と土間の生活様式は、畳とリノリウムの二層で表現し、18cmの段差でゾーニング。段差の縁(ふち)にはアッシュの幅はぎ材を用い、素肌に伝わる心地よさまで追求した。
「自分にはない感性と刺激を受けたかった」と振り返るご主人。その選択と協働の積み重ねが、“日本人でよかった”という誇りを感じさせるような空間を生み出した。
費用 | 1250万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | ファミリー |
築年数 | 39年 | 面積 | 63.96㎡ |
施工期間 | 3 |