2025.09.05
株式会社アートアンドクラフト
5〜6階を自己利用オフィス、1〜4階を賃貸区画とする予定で、大阪市北区にある6階建ての小さなビルを取得したオーナー。1990年築の既存ストックは状態も良く、室内もきれいで立地も悪くない。そのままでも十分に賃貸に出せる状態でした。
しかし、「この物件じゃないといけない」とユーザーに訴求できる特徴もない。果たして無事に集客して継続的に入居してもらうことはできるのか。そう疑問を持ったオーナーの相談でリノベーション計画が始まりました。
築古物件を賃貸物件としてリノベーションする際には、古い建物ならではの魅力を残し、活かしながら、更新が必要な部分を整えていくのが、これまでの王道のアプローチでした。時代とともにリノベーションで取り扱うストックの質も変化し、インフラに大きな問題はないが、リノベーション後も個性となりうるような特徴もない物件を取り扱う機会も増えてきました。
可もなく不可もない状態から、ユーザーに選ばれ、長く競争力のある賃貸物件とするには、建物の表面的なデザインにとどまらず、リーシング条件まで見越したアプローチが必要です。
今回のリノベーションで、方針として決定したのは以下の通り。
1)「ペットを連れて来れるオフィス」としてリーシングの際の他にはない特徴に打ち出すこと。
2)入居者の利用できる屋上を整え、募集の際のキービジュアルとすること。
3)1階に建物の顔になるような飲食店に入ってもらうためにインフラを整えること。
4)賃貸区画内は既存を活かしてコストを抑え、共用部にこのビルの個性となるようなデザインを追加すること。
5) 建物の名前、ロゴまでデザインすること。(オーナーの家族が担当)
賃貸募集の開始前から、デザイン会社やカメラスタジオなどを中心に複数の問い合わせがあり、完成からわずか数週間ですべての区画の入居が決まりました。また、1階には当初の狙い通り、魅力的な飲食店(味噌汁スタンド)が入居し、街に開いたビルの顔になっています。
費用 | 1800万円(税込) | 物件種別 | その他 |
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リノベーション 形態 |
その他 | 家族構成 | その他 |
築年数 | 35年 | 面積 | 303.24㎡ |
施工期間 | 4ヶ月 |