2025.08.22
グローバルベイス株式会社
施主夫妻が約33年間住み続けてきたのは、結婚を機に両親が綺麗にリフォームしてくれた中古マンション。息子が1歳のときに阪神・淡路大震災を経験し、その後はトイレや洗面室の漏水修理といった最小限の工事だけで維持しながら、「壊れないで」と願いを込めて大切に使い続けてきた。やがて息子が独立し、夫婦ふたりの新たな暮らしが始まったことで、これからの住まいを真剣に見直す時期を迎えた。当初は水まわりだけのリフォームや住み替えも検討したが、愛着ある家で暮らしたいとの思いから、最終的にフルリノベーションすることを決意した。
施主が望んだのは「優しい光に包まれ、木のぬくもりを感じる住まい」。その思いを形にするため、日常でありながら非日常を味わえる、高級旅館のような心地よさを目指した。
木材をふんだんに用い、キッチン、洗面、収納、ベッド、建具までほとんどを造作とし、一から設計。照明計画にも時間をかけ、点灯の有無や間接照明の使い分けで空間の印象を操作できるよう工夫した。夜はやわらかな光に包まれ、気づけば自然と眠りに落ちてしまうという。
両親の介護経験から「トイレ・浴室・キッチンが回遊できる間取りが暮らしの安心につながる」と学び、3LDKを1LDKへ間取り変更し、扉を減らしてリビングから寝室、WIC、水まわりへと自然につながる動線を実現した。本棚は仕切りの役割を果たし、飾られた孫の写真をキッチンから眺める時間が癒しになっているそうだ。障子は額縁のように設えて外の緑を一枚の絵画のように切り取った。
「元気なうちに暮らしを軽やかに整えたい」との思いから、持ち物も大幅に整理。部屋を埋め尽くしていた家具や節句人形を手放し、残したのは長年愛用してきたダイニングテーブルや家電、衣服といった必要なもののみ。新しい物を迎えるときは古い物を手放し、空間を循環させる暮らしへとシフトした。
息子や孫が訪れる機会も増え、ダイニングテーブルを囲んで、ふたりで晩酌を楽しむ時間が何より楽しく大切なひとときとなった。
費用 | 1700万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
持ち家のリノベーション | 家族構成 | 二人暮らし |
築年数 | 39年 | 面積 | 65.68㎡ |
施工期間 | 約3ヶ月 |
お問い合わせ先
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町3-2 渋谷サクラステージ SAKURAタワー6F
TEL:03-6416-4535