2024.10.21
株式会社リノリビング
もともと都市部の繁華街に住まわれていた施工主様は、小さなお子様を持つ3人家族。便利な場所ではあるものの、子どもの将来と安全性の観点から住み替えを希望されていました。今回の物件は福岡でも都心部の駅近に位置しており、施工主様の前住居と同じエリアに該当します。近距離の転居なので、生活環境を大きく変えることもなく、利便性もかなり良いとのこと。
物件購入を後押ししたのは、静かな環境や、階下に広がる眺望の良さでした。春には桜並木が風景を彩り、とても以前と同じエリアとは思えない程美しいのだとか。
家族で暮らすにはコンパクトな面積だけが今回の課題でしたが、施工主様の「子ども部屋や寝室のように、部屋の用途を固定化したくない」というフレキシブルな考えを尊重し、多用途に使用できる「畳スペース」の提案が生まれました。
65㎡に満たない都市型マンションで、家族の繋がりと個々の時間をどう両立させるか?施工主様のジャパンディスタイルというご希望を起点に、導き出した答えは「視線のデザイン」でした。
LDKに小上がり、ダイニング、ソファ、デスクを配置しつつ、それぞれの場所から他のエリアが視線上に入らないようレイアウト。一つの空間に居ながら、気配は常に感じつつも心地よい距離感が生まれるよう計算しました。唯一の例外は、部屋の中央にあるキッチンから小上がりを見通せる視線。これは家事をしながらお子様を見守るための意図的な設計です。対照的に、小上がりにある机は、コンセプチュアルな木製ルーバーでゆるやかに目隠し。単なる間仕切りではなく、お子様の成長後、家族の気配の中で自分だけの空間を確保するための装置です。
視線のデザインを現実の暮らしで支えるのが、玄関からバルコニーの倉庫までを繋げた土間収納。収納場所が倉庫・土間・WIC・リビングと連続しているので、直観的に物を仕舞うことを可能にし、視界のノイズを取り払う狙いです。
内装は、無垢材の天井に石材のような全面フロアタイル、和紙素材のカーテンと、自然味のある素材で目に見える生活感を排除。ドアモニターや給湯スイッチも、造作した棚の中に隠れています。
物理的な面積は変えられないからこそ、視線のデザインによって、体感的なゆとりと暮らしの質を最大化することを目指しました。
費用 | 930万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | ファミリー |
築年数 | 34年 | 面積 | 64.65㎡ |
施工期間 | 104 |
お問い合わせ先
〒815-0035 福岡県福岡市南区向野1-3-16 R-BLDG1F
TEL:092-554-2332