2024.09.20
株式会社スロウル
築約80年の歴史を感じさせる特徴的な軟石の外観。石山の景観を保存する意味でも、可能な限り手を加えずそのまま残した。正面玄関のガラス扉は今後木製扉に改修予定だ。
玄関を含む正面左側全体がコミュニティスペース、右手前が業務用厨房。その奥側と、ドーマ―のある2階の小屋裏がオーナーの居住スペース。正面右奥に元々あった勝手口は居住スペースに直接繋がる玄関に改装。
家屋中央と居住スペースは屋根裏現しにし、吹き抜けの開放感を出した。
また、寒冷地であるため、断熱もしっかりと施し現代の暮らしに合った快適な居住空間を作り上げた。
札幌中心部から車で30分、定山渓へ向かう途中に、周囲を山に囲まれた小さな住宅街がある。
ここは明治期、北海道開拓に欠かせなかった「札幌軟石」の採掘場跡、その名も「石山」。
寒さの厳しい北海道では、耐火性が高く加工も容易な石山の軟石が開拓使によって建造物に多く使われた。
現在、採掘を続ける業者は1社のみで、かつての軟石建築もほとんどが取り壊された。石山でも、旧郵便局など数件がカフェに改装され残るのみ。
そんな石山で出逢った、個性的な物件。築約80年、宗教法人が教会として使用していた建物で、外見は総軟石、屋根は日本家屋。中央には大きな祭壇が鎮座していた。
オーナーは、この物件が取り壊されると聞き、景観を残したいと購入を決意。1階をオープンなコミュニティスペースにし、祭壇跡や床材を残しつつ、業務用厨房や薪ストーブ、来客用トイレを設置。将来、店舗経営を夢見る人に貸し出す計画もある。
こうして、石山に新たな空間が誕生した。名前は「軟石ベース」と名付けられ、これから多くの出来事の拠点となるだろう。
費用 | 2400万円(税込) | 物件種別 | 一戸建 |
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リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | 一人暮らし |
築年数 | 81年 | 面積 | 177.50㎡ |
施工期間 | 5か月 |