2024.09.10
株式会社しわく堂
クライアントの夫が子どもの頃に過ごした築71年の住まいのリノベーションです。
リノベしたのは、「やつお」と呼ばれる二重屋根の上下四隅に伸びる計8つの隅棟が特徴的な四国地方に多い民家形式の母屋。
エネルギー会社に勤める夫と、フリーランスで活動する妻の夫婦が、結婚・出産を機に、敷地奥に終の住処を新築して暮らす夫の両親世帯と隣居するかたちで古屋ををリノベして住み継ぐことにしました。
遠景からでもしっかりと望見できる馴染みのある母屋の屋敷構えを生かしつつ、共働き夫婦の現代的なライフスタイルへの適合+性能向上を如何に実現するかがテーマ。
生まれ育った土地で、先祖代々の建物を直して住み継ぎつつ、頼り、頼られる両親世帯との近居暮らしをはじめる夫婦のためのリノベーションPJです。
「外国人が日本の伝統的な住まいを、独特の世界観でデザインしたような住まいがいい。」
「やつお」と呼ばれる屋根の8つの隅棟が特徴的な民家の改修は、奥さんのパンチの効いたコメントからはじまりました。
リノベは以下を解決しつつ、既存構造躯体にあわせて無理なくシンプルに計画しています。
・周辺環境への対応(駐車場と玄関のミスマッチ)
・共働き夫婦にあわせた間取り(二人で調理できる対面キッチン、邪魔されない仕事部屋)
・性能向上(耐震性能、断熱・気密性能、防音)
・大人数を迎え入れられる寛容な間取り+ゲストルーム
茶の間を中心に、生活動線を考慮して玄関は駐車場側に新設し、北側に水まわり、その他に居室を並べました。
玄関は子ども連れでもゆったり出入りできるように大きな庇を伸ばしています。
茶の間は8畳と小さいですが、仲間たちと大人数で机を囲める畳敷きの掘り炬燵にしています。
元・玄関は奥さんが集中できる個室の仕事部屋にしました。
内部は既存の古建具をレストアしつつ、外周部は複合サッシに変えることで幹線道路(金比羅街道)沿いの防音対策も実現。
完成した住まいは、日本ぽさを感じる民家のディテールの中に、左官壁の色、襖紙や壁紙に異文化が混合したエキセントリックな仕上がりになりました。
外国の方が「Oh、ヤッツォ!!!」なんて興奮しながら遊びに来てくれることを期待しています。
費用 | 2950万円(税込) | 物件種別 | 一戸建 |
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リノベーション 形態 |
持ち家のリノベーション | 家族構成 | ファミリー |
築年数 | 72年 | 面積 | 142.16㎡ |
施工期間 | 10ヶ月 |