2023.09.19
株式会社リビタ
従前は東京メトロが鉄道保守部門の宿泊所として利用していた築44年のRC造の建物でした。元々休憩室と宿泊室で1区画となっており、2室間の壁が構造上の躯体壁となっていたことから、間取りの変更が難しいという制約がありました。
この条件を特徴と捉え、休憩室を靴で利用できるBUFFERスペース、宿泊室をプライベート性の高いLIVINGスペースに分けることで、新築ではできないリノベーションならではの空間構成を実現しています。また、元々自社利用されていた物件を収益化する事業的な観点から、倉庫や共用トイレといった共用部分も、一部外壁の新規開口やサッシの交換によって新たに居室化し、賃貸部分とすることで、収益面積の最大化も図っています。
代々木上原駅徒歩2分の立地で、数年間未利用だった元宿泊所をリノベーションし、5戸のSOHO型の賃貸マンションとして再生を行いました。
[既存建物の制約を活かし、多様なライフスタイルを受け止めるフレキシブルなBUFFERスペースを設置]
元宿泊所での“土間仕上げの休憩室”と“畳敷きの宿泊室”で1区画の構成をポジティブに捉え、“土間仕上げのBUFFERスペース”+“靴を脱いで使うLIVINGスペース”を1室内に設けるプランとし、元々の建物の構成から導き出した5タイプの住戸としています。
[街を住まいに引き込み、住民の個性が垣間見えるガラス扉]
1階の3室は、住戸の手前側もしくは離れにBUFFERスペースが設けられており、パブリックとプライベートの中間の位置づけとして、敢えて中を見通せるガラスの框戸としています。共用部と同仕上げの床がBUFFER内に連続しており、中に置かれているものや活動が垣間見えることで、住民のキャラクターが共用部に滲み出るような空間構成になっています。
[インテリアを外部に滲み出させる]
古い印象の物件を景観上どのように寄与させるかを考慮した結果、外壁の塗り替えや植栽の設置等、大規模修繕と同時に、ファサード側のサッシ面の更新によって、共用部のインテリアのやわらかい雰囲気が外部に漏れだし、街に対して明るい印象を与えるような計画としています。
費用 | 物件種別 | マンション | |
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リノベーション 形態 |
リノベーション賃貸 | 家族構成 | その他 |
築年数 | 47年 | 面積 | 277.70㎡ |
施工期間 | 5ヶ月間 |