2023.09.14
株式会社インテリックス空間設計
自宅とは別に、仕事場として購入したコンパクトな1R。もともとひとり暮らし用の居室として設計されているため、生活空間としては便利な「たっぷり収納のクローゼット」や「集中できるクローズドキッチン」も、職場として見ればリビングダイニングを圧迫してワークスペースを狭くするやっかいな存在でした。物理的な狭さに加え、天井の低さも窮屈さを加速させます。泊りがけの仕事に備えてベッドを置けば、スペースはもういっぱい。仕事関係の来客があっても座る場所の確保に苦労し、寝具の生活感も気になるところ。快適性だけでなく、「とにかくカッコいい雰囲気にしたい」がオーナーの長年の願いでした。
RCむき出しの風合いを活かした高い天井には、モダンな十字形の照明を。マットブラックの対面式キッチンのカウンターはチークの一枚板で重厚に。さりげなくゴールドが光るキッチンの壁は左官仕上げで、ベルベッドのような質感が独特の空気感を生み出します。
事務所兼セカンドハウスである本物件は、日中はスタイリッシュな仕事場、プライベートタイムはバーのような雰囲気。1Rならではの狭さと生活感が長年のお悩みでしたが、遊び心あふれるオーナーの意向を受け、実用性とデザイン性に加え、ギミック(仕掛け)満載の「秘密基地」としてプランニングしました。
窓の周りに貼ったミラーもそのひとつ。窓際に立つと左右にも天井にも広がりを感じられ、埋込みピクチャレールと合わせれば立体アート空間の完成。引き出しが座面にもベッドにも変形する階段型ソファベッドにも秘密があり、棚板の一部を背もたれのようにカーブさせることでベンチへ自然に誘う設計です。また、玄関の全面ミラーはスライドドアになっており、奥にはサニタリールームが。生活感を消しながら、オンでもオフでも使い勝手良く、快適に仕上げています。
細かな仕掛けは他にもありますが、多くはオーナーのリクエストに案を出し、それにオーナーが反応して新しい発想が生まれ…といったプロセスで出来たもの。音楽のセッションのようにプロジェクトが進み、センスが光る一室となりました。
費用 | 2960万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
持ち家のリノベーション | 家族構成 | 一人暮らし |
築年数 | 24年 | 面積 | 38.00㎡ |
施工期間 | 3.5か月 |