リノベーション事例

本物件はペット飼育に関する頭数制限なしという、マンションのペット飼育細則としてはかなり珍しい条件の物件である。
従前は、大型犬を含む犬の多頭飼育をされていた部屋で、引っ掻きや噛み付き等のいたずら防止対策で壁に木製の腰パネルを貼るなど予防策が施されていたが、特に物件自体でペット対応仕様が施されているわけではなく、基本は汎用的な内装設備であった。
ペット飼育の需要はあるものの、新築時からペット対応を施されている物件は限られている。その場合、住宅購入後にリフォーム費用をかけてペット対応仕様にするしかなく、後付けをするにしても下地が入っていないなど、物理面でも費用面でも困難を極める事が多い。

この物件は猫を愛してやまないプランナーが、猫とそこに住む猫好きさんのために計画した買取再販物件である。「買取再販物件」とは計画時点では決まったオーナーがいないことから、振り切った企画をすることが難しいものだが、仕入担当・プランナー・それを承認する上司の“全員猫好き”がそろったことで実現した。自ら飼主として猫さまのライフスタイルを熟知して計画した室内には、窓の外を見ながら日向ぼっこをするのが大好きな猫さまのために専用カウンターを設置。下部は餌場エリアと設定し清掃性のよい床素材にしている。夏場はヒンヤリ快適な猫さま専用”ごろ寝”スペースとなる。運動不足解消のため、壁にはすべりにくいキャットステップ＆ウォークを設置。多頭飼いへの配慮で一方通行回避の待機場所も確保済み。猫さま用のトイレスペースは換気扇完備で、上部には猫砂やフードのストックも出来る。扉付きなので寝室側からトイレ掃除もでき、また猫さまの夜間パトロール巡回を防ぐために扉を閉めておいても、くぐり穴からいつでもトイレは使用可能。キッチンは危険回避のためにあえてガラス付扉を設置し、外で「出待ち」をしている猫さまの姿も確認できる。猫さまが安心して過ごせるように振動と音のうるさい洗濯機は廊下へ移設。爪とぎにも負けない強化クロスとペット用フローリング仕上げも施した。猫さまと飼主さんの幸せなくらしを追求した猫愛に溢れたリノベーションである。

間取り