リノベーション事例

都内の閑静な住宅地に佇むヴィンテージマンションの買取再販物件。
従前の住戸はリフォーム履歴があるため、一見キレイではあったが特徴は無い室内であった。一方で、L型キッチンなど、こだわりも感じられたが、少々アンバランスな印象も・・・。
56.70㎡だが、部屋数を重視したためか小割の印象が強い。
水まわり（浴室とトイレ、洗面室）については位置移動が難しくコンパクトな水まわり計画を余儀なくされることが予想された。

「秀和レジデンスマニア」というワードがメディアや書籍に登場するようになった昨今、愛好者の多い「秀和マンション」へのリスペクトを込めて、特徴的なデザインエッセンスを室内に取り込み、住宅丸ごと「秀和マンション」を堪能してもらいたい！という思いで買取再販マンションの企画を行った。
この住宅は、玄関を開けるとバルコニーまでDOMA（土間）で繋がっており、掃出し窓から柔らかな光が差し込んでくる。DOMAの途中に設けたアーチをくぐり抜けると、窓の向こうには”秀和ブルー”の屋根が目に映る。その特徴的な色を室内各所に取り込むことで、室内外をシームレスにつなぎ、パノラマ画のように楽しめる仕掛けを施した。DOMAに配したワークスペースの壁にもブルーのチョークペイントを選定。作業中に閃いたアイデアを書き込むことや、家族とのコミュニケーションツールとしても利用することができる。寝室に場所を移すと、外壁の白塗り壁をオマージュしたテクスチャーを強めに仕上げた白塗り壁のニッチが迎えてくれる。さらにマンションのエントランスに灯るアンティーク調の照明器具からもインスピレーションを得て、琥珀色のアンティーク調の照明器具を室内に取り入れるなど「ウチ」と「ソト」との融合を図るデザインを行った。半世紀の時を経て、古き良きものをリスペクトし、買取再販事業の使命として次世代につなぐ再生デザインへチャレンジした企画である。

間取り