2022.09.16
BATA HOUSE 川端工務店
元は事務所だったという、徳島一の歓楽街のRCビルの2Fにある賃貸スペース。一見マイナス要素が多いように感じるが、日中のフォトスペースとして活用するにあたり、採光や広さ等いい条件が揃っていた。撮影スペース以外に将来的にレンタルスペースとしての活用も模索していると聞き、移動可能な既製品カウンターでの間仕切り等、フリーなスペースを広く有効活用できることを考えた。奥様お手製のブレイクさせたシアーカーテン、ミニキッチン設備・什器や小さな小物に至るまで、木の色目、素材感・質感にこだわり、すべてにおいて撮影場所や背景にできるよう、どこを切り取っても「映える」ような配慮を施した。
そもそもの思い込みをぶっこわしたエリアで、既存の雰囲気や良さを最大限に活かした、懐かしくて新しいフォトスペースとして生まれ変わった。
プロカメラマンとして起業する彼らが、自分達の居場所をつくりたいと見つけた物件は鷹匠町という、徳島一の歓楽街にあった。
歓楽街にフォトスペース?と少し不安を抱きながら、内覧に同行し、ドアを開けてびっくりした。
彼らの抜群のセンスでアンテナが立ったその物件は、見立てが正しい余計なモノが一切ない物件だった。
アールの大きな窓からは、優しい自然光がたっぷりと入る。ありのままの自然な写真を撮る彼らに、照明はそもそも不要だった。
真っ白な躯体の天壁は以前の入居者が塗装したものだと聞いた。壁のレトロな赤いベルは、人気の撮影背景の1つになっているそうだ。
何よりも、これからお商売を始める若い彼らにとって、小さな初期投資でリスクも少ないという事は一番のメリットだった。
それにしても「夜の街」という先入観やエリアの勝手な思い込みは誰が決めたのだろう。こんな素敵な隠れた物件をすっかり見落とす原因になっていたのだ。
けれど、この場所は他の誰でもない、幸せな瞬間を一枚の「寫眞」に収める彼らだからこそ、活かすことができる場所。
お商売のコンテンツとのマッチング、物件の見立てがうまくいけば、今まで見向きもしなかった場所の物件もリノベーションで再生し、若者が起業しやすい物件づくりに繋がると確信した工事だった。
昼間の歓楽街に、自分達の居場所を見つけた彼らは、誰よりもイケていて、斬新で新鮮だ。
費用 | 物件種別 | マンション | |
---|---|---|---|
リノベーション 形態 |
リノベーション賃貸 | 家族構成 | |
築年数 | 45年 | 面積 | 52.63㎡ |
施工期間 | 約2週間 |