2022.09.16
BATA HOUSE 川端工務店
以前は1Fと2Fに客室があった為、一日に何度も上がり下がりすることが身体に負担だった。また、2Fのお客様の様子がわからないことを解消するために、隣の空いた店舗を繋げてワンフロアでの店舗に改修する工事となった。厨房スペースも大きく移動し、使い勝手のいい間取りと仕様に変更した。大工経験のあるネパール人の施主様と一緒につくりあげていった、これまでに経験のない思い出に残る店舗工事となった。
ネパールからやってきて6年目の本格的カレー店オーナーのビシャール。彼はネパールで、大工見習いの経験があり、現店舗はほぼ自分で造りあげていた。彼の経験を活かし、着工前に決定する内容以外は、現場で話ながら進めようという、これまでにないスタイルでスタートしたリノベーション。
「バタサン、ハガシタキヲ カベ二ハリタイヨ」とビシャール。そこで解体した木材を丁寧に研磨して壁に張った。仕上げの着色塗装、外内部の壁の塗装も全てビシャールが仕上げた。
「あるものを活かす」ネパールの家づくりでは当たり前の事だそうだ。余った端材の有り合わせの資材を使ったり、解体で出た資材を再利用する事も少なくないそう。そんなネパールの建築の考え方をプラスした、リユース&サステナブルな現場となった。
「ないもの」を揃える私達。「あるもの」でどうにかする考え方や姿勢。忘れかけていた事をビシャールが思い出させてくれた。
言葉が伝わらない時は、身振り手振りで、カタコト英語も交え確認しあっていた二人。ほぼ休むことなく、朝早くから晩遅くまで作業を共にしたビシャールとバタサンは完工後、お互いバタサンロス・ビシャールロスになっていた。
お国違えど、大工仕事や家づくりに対する熱い想いは万国共通だ。
オレ、海外で大工できるかも。とバタサンこと棟梁は笑って言った。海外からオブ・ザ・イヤーにエントリーできる日も来るのかもしれない。
費用 | 物件種別 | その他 | |
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リノベーション 形態 |
リノベーション賃貸 | 家族構成 | |
築年数 | 47年 | 面積 | 77.76㎡ |
施工期間 | 約1ケ月 |