2022.09.16
株式会社ニューユニークス
神奈川県でフルリフォーム済みの中古マンションを購入したK夫妻。当初はフルリノベーションを望んでいたが、物件価格との兼ね合いなどから間取りの使い勝手と素材感にフォーカスした部分的なリノベーションにシフトチェンジした。
縁もゆかりもなかったというこのエリアに引っ越した決め手は、窓から見えた公園の木。2階に位置するK邸の窓は隣り合う公園の木と同じ高さで、内装にふんだんに取り入れたコンクリートの質感と窓一面のグリーンのコントラストが印象的だ。
「廊下が長くてもったいない」というのは、よく耳にする言葉だ。
限られた空間に様々な要素を落とし込まなくてはならない家づくりでは通路としての廊下は少しでも短くし、空間を有効活用することにばかり目がいってしまいがちだ。
だが、K邸の廊下はそんな常識を覆した。Kさんの職業は子供服のパタンナー。完成デザインを型紙に起こすその職業は、PCで型を作り、布を裁断してミシンで縫製し、トルソーに着せながら形を調整する作業を並行して行うため、横並びの広いスペースが必要なのだ。「家の中のどこでもいいから、作業スペースが欲しい」という要望に対し、デザイナーが着目したのは廊下。廊下沿いの壁を部分的に個室側に押し出し、幅3m奥行50cmの空間を生み出した。造作デスクにはミシンとPCを置き、デスク横にはトルソーや図面ケースを収納できる空間も確保。カーテンを開けて作業をスタートすれば、普段は通路として使っている廊下が広々とした作業場に早変わりする。昼夜問わず制作に没頭することもあるというが、カーテンを閉めてしまえばそこにデスクがあることさえ感じさせない造りは、玄関の目の前に作業場を構えたKさんには嬉しい仕掛けだ。リノベーションだからこそ実現したこのプランは、廊下の新スタイルを確立した。
長らく日の目を見なかった廊下。職住融合など、ニュースタンダードの世の中で廊下が人々の注目を集める日はそう遠くないだろう。
費用 | 990万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | 二人暮らし |
築年数 | 43年 | 面積 | 66.77㎡ |
施工期間 | 2ヶ月 |