2022.09.15
株式会社リビタ
閑静な住宅地の中で北側に接道する本物件。地下と1階の一部がRC造、その他を木造でつくられた混構造の築30年の建物です。もともと注文住宅として建てられた家は、スキップフロアで構成され、2階には天井の高いハイサイドライトがある、“ハコ”としての骨格が良く、ポテンシャルの高い戸建てでした。しかし、窓は単板ガラスとアルミサッシであることなど、仕様は古く、耐震基準も現行法のものではありませんでした。
そこで各種調査を行い、屋根部分にあった違法性を是正しただけでなく、検査済証を取得。実施工事の見える化、既存住宅の長期優良住宅認定の取得、性能面の保証、省エネ性能を表示するエネルギーパスの発行も実施しました。
住まい手はスケルトン状態の物件を見て、購入の検討をしました。広さや高さを確認できる現地で、基本計画を参照しながらイメージを膨らますことができるのは、スケルトン状態での販売ならではの体験です。
リノベーションという住まいづくりの選択肢は今や当たり前となりました。しかし中古マンションの流通が進む一方で、住宅ストック数が多い戸建ての流通はまだ多くはありません。
そこには、個人が戸建てリノベーションを選択する際に(1)違法部分を発見し適法化すること(2)既存状態で工事費の見立てをすること(3)今後新築に求められる基本性能との差異を埋めることが難しいという大きなハードルがあります。
本プロジェクトは、断熱・耐震改修、適法化を含む基本計画をした「素地を整えたスケルトン状態」で販売をすることで、安心安全の住まいづくりと住まい手がインフィル計画に参加することを両立した、新たな中古戸建て流通の仕組みづくりへのチャレンジです。
住まい手は基本計画をもとに設計者と打ち合わせを重ね、暮らしに合わせて仕立てました。木造の2階は壁がほとんど存在しないおおらかな空間です。中でも、既存状態の床下空間が大きかった箇所の床を下げ、60㎝の段差があるリビング生まれました。またキッチンとパントリー、水回りと収納は、特に住まい手の要望を汲み取り、使い勝手を想像しながら設計をした部分です。
再販モデルでありながら、家に暮らしを合わせるのではなく、暮らし方に合う家づくりを実現。これからの暮らし方の変化に伴って、家も変化させていける余白があります。そんな、大きな器を持ち合わせた住まいが完成しました。
費用 | 3200万円(税込) | 物件種別 | 一戸建 |
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リノベーション 形態 |
その他 | 家族構成 | ファミリー |
築年数 | 33年 | 面積 | 165.87㎡ |
施工期間 | 5か月 |