2022.09.09
株式会社ブルースタジオ
1991年築の駅前商業施設は、施設の衰退や空きテナントの問題を抱えていた。大規模修繕のタイミングに伴い、駅前の賑わいの創出や店舗の価値の向上を検討していた。
施設全体の舗装や外壁、サインに統一感はなく、施設には空きテナント、駅前は駐輪場で埋め尽くされ、人々の居場所がない状態であった。私たちは、単体の不動産活用ではなく、ホシノタニ団地を含んだエリア全体の価値向上を目指し、緑に囲まれた広場を計画した。
全国の郊外駅前は、交通のために占有され、人々の居場所がない例が数多く見られる。本計画は、普遍化する駅前開発とは一変した、「循環型コミュニティの創出」として持続可能な社会に寄与する郊外駅前の活用モデルのひとつでもある。
2015年、座間駅前の団地がこどもたちの駅前ひろば「ホシノタニ団地」として生まれ変わり、東口「駅前」エリアが人々の暮らしの真ん中に取り戻されて5年。一方で、残念ながら駅前商業施設が面するロータリーは車が主役であり続け、わずかなスペースも無造作な駐輪場に占拠されたままでした。でもその間、想いは受け継がれていたのです。鉄道会社から駅前商業施設の運営会社へ。更なる地域を愛する人々へ。【駅前ロータリーを人の手に取りもどせ】
駅東口は背後に里山の情景を残す谷戸山公園を背負う立地。先史時代から人が暮らしたこの地の植生をこの5年間を経て、人々の暮らしの中に取り戻したホシノタニ団地。取り戻したのは植生だけでなく、その植生を愛し関わり続ける人々の行動。
そしてホシノタニ団地ができて6年。駅前はホシノタニ団地のコンセプトを踏襲し、人が主役の場所『ざまにわ』に生まれ変わりました。駐輪場は排除して緑豊かな谷戸のまち、座間の「にわ」として、まちの暮らしを象徴する顔に。交通の結節点でしかなかった駅前を人と人の交わりが生まれる場所へ。ベンチや縁台に人々は佇み、住人たちが世間話をする。四季折々の草花に囲まれた芝生広場では、親とその子供たちが無邪気に遊ぶ。
駅前が、地域の幅広い世代にとっての当事者意識ある暮らしのエクステンションとなることで、街をうごかす楽しいハプニングが今日も生まれ、育まれています。
費用 | 物件種別 | その他 | |
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リノベーション 形態 |
その他 | 家族構成 | |
築年数 | 33年 | 面積 | 830.00㎡ |
施工期間 | 10ヶ月 |
お問い合わせ先
〒104-0045 東京都中央区築地4-5-9 築地安田第2ビル4階
TEL:03-3541-5878