リノベーション事例

築33年、88㎡で部屋数も十分に確保できるマンションでした。
また各部屋に窓があり、どこにいても光を取り込める間取りでしたが、床や建具は暗い木目や濃い色の面材が多く使われ、全体的に暗い印象でした。
再販リノベーションのため予算の限りがあり、さらに部屋数と㎡数も多いことから、部屋全体の雰囲気を変える工事に予算の大方を使うことになりましたが、その中でももともとの間取りの良さは残し、必要な分のみ収納を増やしてより使いやすく、明るい内装になるよう計画しました。

新しい再販ﾘﾉﾍﾞｰｼｮﾝ現場を計画するにあたり、家での過ごし方に注目が集まる時代背景の中で、どのようなﾘﾉﾍﾞｰｼｮﾝをお客様に届けるべきなのかを考えました。ﾜｰｸｽﾍﾟｰｽを作る？広い空間にする？どれも正解だが、どこか違う。外出の機会が減った今の時代の家に必要なものは「家にいながらも自然を感じれるような空間」なのではないか。そんなところから着想を得た、新しい再販ﾘﾉﾍﾞｰｼｮﾝの形のご提案です。再販であるから、販売価格を考えると高級な素材や、大きな間取り変更はできない。そこで、限られた予算の中で”自然に包まれる”空間を作るために、ﾘﾋﾞﾝｸﾞの中心に大きなR天井を造作しました。R壁にはｺｽﾄを抑えつつも美しい木目を演出できるﾗﾜﾝ合板を採用しました。このR天井は、天然木に包まれたような自然を感じられる特別な空間にするためだけではなく、ありふれた再販ﾘﾉﾍﾞｰｼｮﾝの中でもこの家を特別にするためのｼﾝﾎﾞﾙでもあります。またこのＲ天井が包み込むﾘﾋﾞﾝｸﾞには、深緑のﾘﾉﾘｳﾑの棚や机が配置されています。天然素材のﾘﾉﾘｳﾑは、抗菌作用があり有害物質が発生しない為、人にも環境にも優しい素材であり、色や材質は自然素材ならではの温かみや柔らかさを持っています。これらの要素に包まれた明るいこの空間こそ、今の時代に受け入れらる、再販ﾘﾉﾍﾞｰｼｮﾝの一つの答えなのではないでしょうか。

備考

間取り