リノベーション事例

2021.09.22

アフターコロナを見据えた、地方建築家の新たな職能への挑戦

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paak design株式会社

宮崎県日南市にある飫肥城下町は、江戸時代から約300年間、飫肥藩伊東家5万1千石の城下町として栄た町です。飫肥城跡を中心に建ち並ぶ武家屋敷と風格ある武家門、飫肥石で作られた石垣などにより形成される美しい街並みが保存されていて、1977年には九州初の重要伝統的建造物群保存ちくに指定されたエリアです。
物件は、その地区内にあり、目の前には、旧藩校の振徳堂という市が管理し見学することのできる建物があり、ほど近くに1000年近く続く田ノ上八幡神社もある閑静なエリアにあった建物でした。個人が所有し20年近く空き家の状態で、所有権を相続し、代替わりをした所有者が市が運営する空家バンクに登録し、弊社がその情報を閲覧したところからプロジェクトは始まりました。
築年数はもうすぐで100年経つ建物をその想いとともに譲り受け、次の100年を作るため、現代の多様化する社会にも開いた新しい古民家像を目指します。

このプロジェクトは、通常、設計事務所の職域であるリノベーションの設計監理だけでなく、地方に拠点を構える設計事務所が新たな1歩を踏み出したプロジェクトでもあります。
長年空き家だった築100年ほどの小さな古民家を事業を想像しながら購入し、事業計画を練りながら、この物件に当てはまるプログラムを検討しました。業態が宿泊施設が決まってからは、ターゲットを想定し、オペレーション設計をし始めた。今では、日々の運営も自社で行い、出てくる課題に対し、設計やデザインのノウハウで解決に奔走しています。
また、宿では、地域を体感できるさまざまな企画も用意。同じ地域で活動するアーティストや、デザイナーとコラボした空間をアート表現する企画、地域の団体・企業とコラボし、この宿ならではの商品や、食料品もオリジナルで開発し、地方の城下町にある古民家宿だからこそできることを滞在しながら体験できます。
空間は、築100年の建物が持つ古き良き情緒と伝統的な様式を可能な限り残し、それを補完するように現代の様式や工法を採用。
その「差異」を体験し、楽しむことができるようなデザインを目指しました。
オペレーション設計も自社で行い、古き良き情緒を残した古民家ではあるが、最新のテクノロジーを使うことで、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた設計とし、チェックインからチェックアウトまで完全非接触の無人宿としています。

費用 3200万円(税込) 物件種別 その他
リノベーション
形態
中古を買ってリノベーション 家族構成 その他
築年数 90年 面積 91.13㎡
施工期間 6ヶ月

備考

物件購入→リノベーション設計・オペレーション設計→運営まで全て自社

間取り

BEFORE 2LDK

AFTER 1LDK

お問い合わせ先

paak design株式会社

〒889-2535 宮崎県日南市飫肥5-2-18 2F

TEL:0987-55-0088

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