リノベーション事例

築43年の鉄骨３階建て。主に水回り周辺が腐敗しており、木軸で組まれた床や天井も傷みが激しかった。
間口に対して奥行きが長く、奥の方は暗くジメッとした空間であった。

建て坪13坪で夫婦2人がストレスなく開放的に過ごせるプランにするには、階段の位置や形状が最重要課題と捉えた。
各階の床は、階段の架け替えが困難なデッキプレートではなく、木軸で組まれていたため、スケルトン状態にする事で比較的自由に階段の架け替えをする事が可能であった。
結果、階段の位置・形状等を比較検討した数はAプラン〜Zプランまで26種。最終決定したのは、建物中央部に鉄骨の回り階段を設置するプラン。

中央に設置する事で水回りと玄関、ダイニングキッチンとリビング、寝室とWICと、各空間が階段によって程よく線引きされた。また、回り階段でコンパクトにまとめた事で他空間をより広く確保する事に成功。さらにスケルトンであるため、閉塞感は排除され、全空間は程よく繋がりを保っている。そのため空間を遮る、不必要な建具は何もつけていない。光と風の通りも申し分なく、快適性も格段にアップした。

１階から３階まで、通し柱のように存在するこの階段は、この家の悩みを全て解決してくれる一家の大黒柱のようである。

間取り