2020.09.23
リズム株式会社
40㎡台のマンションによくある長方形の空間。採光は窓に面している奥の部屋のみで、中央の部屋が暗くなりがちな部屋の形状だが、今回は寝室とLDをガラス入りの建具で区切ることで光が中の方にも差し込むような間取りに。ガラス入り建具にはシリンダー錠がついており、LDをシェアスペースとして使う時は鍵をかけることができる。またカーテンレールを建具に沿って設置したことで寝室を隠すことができ、プライバシーを守れるようにした。
東京都新宿区、築50年のマンションの一室。食文化や服飾デザインなど、幅広い分野に関心を持つ20代男性の家主は、様々なコミュニティの仲間との時間を過ごせる家はリノベーションという手段でしか実現できないと、購入を決断した。住まいづくりを進める中でコロナウィルスが猛威を振るい、今まで以上に「人と会うこと」のかけがえのなさを感じ、不特定多数の人との接触を回避しながら、仲間と共に過ごす場所にできないかと構想をしていった。時間や場所の調整をしなくても、価値観を共有する特定の仲間が自然に集える居場所として住まいをデザインした結果、8割を「シェアスペース」とする新しい形態の住居となった。2.8mの本棚付きデスクやスクリーンを備え付けたリビングは、仕事やワークショップなどフレキシブルに使える様に。3m近くあるキッチンカウンターは、オフの時間を過ごすカフェやバーの居心地の良さを取り入れたいとの想いを込めた。エントランスからリビングまで続く壁には、スイッチなどを設けずピクチャーレールを取り付け、写真や絵を趣味とする友人がいつでも展覧会を開ける様に設えた。家であり、コワーキングであり、イベントスペースであり。その用途は時間や集まる人によって変わっていく。「住む人のため」だけではなく、「訪れる人のため」に。これからの住まいのあり方を再構築した末に完成した場所で、友人と過ごす日常が続いていく。
費用 | 965万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | 一人暮らし |
築年数 | 54年 | 面積 | 41.60㎡ |
施工期間 | 62日間 |