リノベーション事例

個性豊かな店舗が立ち並ぶ商店街通り沿いにある築44年の3階建てのビル。
一度区画整理によって減築をしつつも、その商店街に建ち続けるこの建物は、以前店舗併用住居として使われていました。この先店舗付き住宅としての活用が見込める一方で、歴史を感じさせる昔ながらの美容院の姿を残した状態では、今後の活用ビションを持つことは容易ではなく、しばらくの間買い手が見つからない状況が続いていました。
この状態は、商店街にとってもマイナスの要素になっているのは言うまでもありません。

本プロジェクトは、このような中古物件の活用提案（販売中や販売後の在り方の提案）であるとともに、不動産会社と商店街組合との「商店街の活性化」共同プロジェクトです。

商店街に立つ3階建てのビル。以前1階は美容院、2・3階は住居として使われていました。このような建物は、リノベーションによって「住まい」に自分や家族が住む以外のプラスαの機能（＝自分らしさ）を加える事ができ、多様な暮らしの受け皿になり得るポテンシャルを持っています。しかし一方で、こういったリノベーションはハードルが高いのも事実。
そこでこの建物をモデルケースに、購入者が自分たちの未来を自由に描くことができる白いキャンバスのように、予め解体、スケルトンにした後にインスペクション・再塗装を済ませたリノベ向き中古物件として販売しました。また、設計士の協力のもと、様々な活用例となる参考プランを作成、より簡単に安心して「リノベによって、住まいに自分らしさを加える道標」を整えました。
加えて、スケルトンにする事で空間としての活用の幅が広がり、一部を地域のイベントスペースとして活用していただいています。これは商店街に立つ販売中物件の新しい「在り方」であると考えています。また、この取り組みは、中古物件の可能性を最大化させるとともに、不動産会社による中古物件を用いた地域のコミュニティデザインの新しい形の一つであると確信しています。
この取り組みは今後も続きます。ただ、この建物は買い手が見つかり、既に新たな物語が動き出しています。存分に自分らしさを加え、それが商店街の活性化につながりますように。

備考

間取り