リノベーション事例

2020.09.22

SWEET AS_スポーツを中心に地域コミュニティが生まれる場所

  • 中国・四国

リノベる株式会社

山口県長門市には、古くは戦後からラグビーに親しむ文化があった。
地方都市の本質的な課題である「多様性のなさ」そして「男尊女卑の思考」を解決する為の一手として、7人制女子ラグビーチーム「ながとブルーエンジェルス」のメインスポンサーを務めているヤマネホールディングスが、本プロジェクトの事業主である。ラグビーが盛んなニュージーランドでは、地域のラグビークラブには必ずクラブハウスが併設され、地域の人々が集い、交流を図ることで、スポーツ文化を中心とした地域コミュニティが育まれているという。
事業主が所有する元鉄工所を、スポーツ施設と飲食店からなる複合施設へ再生し、同チームが掲げるスローガン「Linking Our World (世界と繋がる)」を体現する場として、バリアフリー・ジェンダーフリーに配慮し、利用者も、スタッフも、国籍・文化・年齢を超えて、交流が生まれる施設を目指した。

長門には高校より先の教育機関がない。それは高校卒業と同時に多くの若者が進学のため市を離れることを意味する__
築45年の約3,100㎡の元鉄工所から、カフェレストラン、バー、バスケットボールを中心とした多目的スポーツコートを備えた複合施設への用途変更。運営は外国人選手も多く所属する地元女子ラグビーチームが行う。元鉄工所という個性を生かしながら、地域コミュニティが育まれていく場所となるように、ダイナミックさと心地よさを感じられる計画とした。
工場らしい外観やクレーンはそのまま残し、カフェレストラン・バー・観覧スペースの床には足場板材を用いた。また事業主の本業における製造過程で発生する端材を、構造材への衝突防止材として用い、カフェレストラン・バーには、ヴィンテージを中心とした家具と高さのある植物を設えた。子供はキッズスペースやボルダリング・トランポリン・バスケット等で遊び、子供が遊ぶ様子を、大人はコーヒーやお酒を飲みながらリラックスして近くで眺められる。
カフェ入口に面する道路は地元高校の通学路となっており、「ここすごい!」と叫びながら自転車で通り過ぎる高校生の声を聴いた。彼らがここに集い、長門に誇れる多様性に富んだコミュニティがあることを体感することで、一人でも多く地元企業に就職、或いは進学や就職で長門を離れた後に戻って来る一助となれば、これほど幸せなことはない。

費用 物件種別 その他
リノベーション
形態
その他 家族構成
築年数 48年 面積 999.99㎡
施工期間 6ヶ月

備考

設計:リノベる株式会社+M. DESIGN ASSOCIATES一級建築士事務所
施工:ヤマネ鉄工建設
事業者:ヤマネホールディングス
運営:ながとブルーエンジェルス(ながとスポーツ財団)
施設規模:敷地面積 6,835.24㎡、鉄工所1棟(S造平屋建て3,085.81㎡)、駐車場
用途:スポーツコート、ボルダリング、トランポリン、カフェ、レストラン、バー、テナントスペース

■プレスリリース:https://renoveru.co.jp/news/3805/
■都市創造事業について:https://renoveru.co.jp/citycreate/ 

間取り

BEFORE 鉄工所

AFTER スポーツ複合施設

お問い合わせ先

リノベる株式会社

〒107-0062 東京都港区南青山5-4-35 たつむら青山ビル

TEL:03-5766-2597

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