2019.08.30
株式会社ニューユニークス
prologue.『ロマンチックな物件探し』
遠距離恋愛の末、結婚。
新婚生活の出発の場として施主のI夫妻が選んだのは、
緑豊かな公園のそばに建つ築33年のマンションである。
物件の決め手は、2人が大好きな小説『キッチン』(著:吉本ばなな)に登場する
マンションのロケーションに似ているから、という理由であった。
嘘のような本当の理由だが、
リビングの壁面に2冊ずつ飾られた同じ本を見れば、
この小説が夫妻を強く結びつけていることを容易に想像できる。
小説へ馳せた想いが巡り合わせた物件で、2人の家づくりがはじまった。
scene1.『夫妻とデザイナー』「靴磨き、アイロンがけ、あと洗濯!趣味が家事なのかも」と話す夫妻を前に、デザイナーは考えた。2人のアイデンティティを洗面室に反映できたら面白いのではないかと。少し大胆すぎるかもしれないと思いながら、思い切ってこの洗面島を提案すると、「そのアイデア最高!私たちにすごく合ってる感じがする。それに女って洗面がいい感じだと気分あがるしね」と夫妻はふたつ返事で快諾した。「アイランドキッチンがあるなら、アイランド洗面があってもいいよね!」と3人は笑い合った。scene2. 『シンボルとなる洗面島』本来はプライベートな空間として確立されることが多い洗面室。デザイナーはそれをあえて人目に付く廊下のど真ん中に配置し、洗面島というシンボルを設えた。ピカピカと輝く白いタイルの床に、四角い洗面台を佇ませる。カーテンレールを仕切れば、脱衣所に早変わりするのだ。epilogue.『その後の物語』「天板半分は作業台として洗濯物を畳んだり、彼女がお化粧をしたり。洗面室というよりひとつの部屋のように大切に使っているかんじかな」穏やかに話す夫の隣で妻が続けた。「オープンでパブリックな仕様だからこそ薄暗くないし、いつも家族の気配が感じられてすごくいいよね。他にどんなにおしゃれな洗面所があったとしても、私たちにはこのアイランド洗面が一番しっくりくる。我が家はこの洗面島なしでは語れません」
費用 | 1470万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | 二人暮らし |
築年数 | 40年 | 面積 | 66.08㎡ |
施工期間 | 2ヶ月 |