リノベーション事例

エアリアルヨガが楽しめる開放的なワンルームに生まれ変わったマンションですが、リノベーション前は約31㎡・2DKのコンパクトな間取り。約5畳ずつの洋室と、ダイニングキッチンのあるプランは、部屋数こそ確保できているものの各居室は細切れで小さく、閉塞感のあるものでした。

完成してみれば「必然」であったかのように思える空間。でもそれは、「幸運な偶然」によって導き出されたもの。そんな偶然性が生み出すマジックも、リノベーションの醍醐味のひとつです。
「自宅で『エアリアルヨガ』をやりたい！」というオーナーのご要望からスタートした当リノベーション。エアリアルヨガとは、ニューヨーク発祥の新しいヨガのスタイルで、ハンモックのような布に身体を預けた状態で行い、骨や関節に負担をかけずに独特の浮遊感を楽しめるというもの。
まず課題となったのは、どのようにして天井に「ヨガ用の布を吊る金具を取り付けるか」。当初は躯体に打ち込むことを検討したものの、共用部につき管理組合よりNGとの回答。そのため木材で「アーチ状の門型」を職人による手仕事で造作しました。しかし、それを設置するには柱部分を支える壁面が必要なため、プランニングを再検討。約31㎡という限られた空間のなかで生活動線や空間のプロポーションを損なわず、どこにそれを据えればよいのか──幾度となく議論を重ねた結果、リビングとキッチンの間に配置することが決まりました。そして完成後、アーチ状の門型はエアリアルヨガを楽しむのみならず、空間を緩やかに区切る役目を担いながら、木質感が心地よいナチュラルなインテリアとしても存在感を発揮。「幸運な偶然」にも恵まれ、ここにしかない個性的な空間が誕生しました。

間取り