2019.08.27
株式会社モリタ装芸
高層階角部屋の立地を活かし、東と南に面する窓を有効的に計画できるかがポイントであった。
昼と夜の雰囲気を知る為に、明るい時間と暗い時間、それぞれ現地に行き空間のイメージを深めた。
施主様からの要望でカーテンを付けずに暮らしたいと言うこともあり、照明を付けた状態を
マンションから離れたところから実際に見て検証した。
家具の位置や、照明の位置を決める上でマンション外から検証することの大切さを知るきっかけとなった。
新潟市中央区、築36年のヴィンテージマンションの高層階の角部屋をリノベーション。信濃川を眼下に望め、新潟市を一望できる眺めもこの部屋の魅力となっている。「廃墟をつくる」というのがテーマのリノベーション。この部屋で暮らすご夫婦は年月を経てできるものは、自分の意図を超えていてそこが面白いと中古マンションの一室を購入。内部は躯体コンクリートを剥き出しにし、仕上げはラワン、モルタル、オークで構成されている。建具枠を無くし、合板の継ぎ目を揃えたりと納まりをきれいにすることを徹底し、ラフでありながらもどこか気品を感じさせる空間になっている。その結果、躯体コンクリートの荒さと、内装の繊細さにギャップが生まれ、リノベーションならではの仕上がりになった。テーマである「廃墟」というのは、あまり作為的にしたくないという意味合いとしてとらえた。家っぽさを排除することで、個人宅のLDKでありながら、誰もが自由に使えるラウンジのような匿名性の高い空間になった。日常の中に非日常を持ち込んだような暮らし方には、家をただ機能として見るのではなく、むしろ川面を眺め佇む時間や、バルコニーで夕涼みする時間にこそ価値が見出されるようだ。どこか情緒的で懐かしい感じも、築36年の歴史をリノベーションでつなぐ住まいの魅力の一つとなっている。
費用 | 930万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | 二人暮らし |
築年数 | 42年 | 面積 | 88.10㎡ |
施工期間 | 2.5ヶ月 |