リノベーション事例

再開発が進む渋谷区は桜丘町に位置する一室。室内の大部分が畳貼りで、使い古されたふすまが小間切れに空間を仕切っていました。窓が多いため陽当たりが良く、建物に囲まれた立地ながらどこか開放感を感じる室内だったため、仕切りを取り払いオープンなデザインが生きそうな印象でした。

思う存分ユニークに考えを巡らせながら、プロダクトやデザインを“つくる場”として完成した、リノベーション賃貸ブランドREISM（リズム）のオフィス。“Brand Design Lab”と称されたここは、なんともオープンマインドのクリエイティブスペースです。“Lab”という呼び名が示すように、オフィスというより“遊び心のある研究所”というイメージが似合いの空間。間取りはラウンジとデスクスペースというシンプルなつくり。それぞれの空間を区切る扉や壁もガラスなので、だれがどこでなにを構想しているのか、把握できてしまうくらいオープンです。ただ、座ったときの目線の高さに本棚を造作することで、集中したいときはガラスの向こうの出来事には目もくれず集中できる、そんな節度のあるオープンさが面白いところ。また素材や質感にもこだわり、壁一面の本棚や造作された窓辺の木のインナーサッシなど、木の表情が日々のテンションを上げてくれます。ソファのあるラウンジでは談笑するも良し、腰を据えて商品開発をするも良し、映画の上映会をするのも良し…使い道は自由に、いろいろな方向に広がっていきます。そしてふと目に留まるのは、ところどころに投下されたキャッチーなアートたち。眺めていると思わぬヒントやインスピレーションを発見することも？そんなユーモラスなエスプリが空間のそこかしこに散りばめられたラボで、今日も“なにか”をつくります。

間取り