2016.09.28
株式会社リビタ
三鷹駅前の商店街沿いに位置する平成3年築の賃貸マンションであった本物件。竣工全体のデザインの古めかしさもさることながら、通りから見ると1Fの店舗の赤い看板が非常に印象的な建物だった。
専有面積帯は40~60平米台がほとんどを占め、ファミリー世帯がメインの同地域の分譲マンション市場においては、コンパクトなものであった。
竣工から25年を経て、デザインだけではなく設備の劣化や避難経路の確保など、安心・安全に関わるハードのリノベーションにとどまらず、この場所における暮らしの考え方のリノベーションも求められた。
「リノア三鷹」は、築25年の店舗・事務所区画付賃貸住宅を一棟丸ごとリノベーションし、商店街沿いの立地特性を活かし「街も共用部も住まいの一部と見立て、使いこなす暮らし」のできるマンションである。
「Spread=広げる」をコンセプトに、生活の必需品は専有部の中に、常になくてもよいものは共用部へ出し、商店街をパントリーとして使うなど、住まう場を部屋の中から街全体へ広げ、使いこなす暮らし方を提案。
共用部では、以前は使われていなかった屋上をWi-Fi・電源・シンクを完備した『スカイリビング』として開放したり、2階の半屋外空間を『セカンドリビング』、1階の店舗区画に新たに誘致した地元企業のカフェなど、入居者にとって嬉しい第2、第3のリビングダイニングキッチンとして居心地のよい空間を設置。また、地下には各世帯1戸ずつ『専用トランクルーム』を用意し、更に共用のツールを保管する『シェア倉庫』も設置した。防災用具をはじめ、ハンモックなど屋外空間を楽しめるグッズ、工具セットのように、毎日使わないけどあると便利なツールを揃えた。こうした多種多様に散りばめられた「仕掛け」によって、専有部は、可能な限り自分だけの暮らしの空間を実現でき、かつ専有面積以上の暮らしの場を手にいれることができる。
これは、建物のハードだけに留まらない、「家を買う」から「暮らしの場を買う」という考え方のリノベーションでもあるのだ。
費用 | 物件種別 | マンション | |
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リノベーション 形態 |
家族構成 | ||
築年数 | 34年 | 面積 | 637.19㎡ |
施工期間 | 2015/5~2016/3(11ヶ月間) |