2018.08.28
株式会社タムタムデザイン
建築家、黒川紀章が北九州市門司港で設計した高層マンションの20階部分。
山口県下関市や関門海峡の見えるオーシャンビューを持ちながらも、内装は老朽化し住み手は減る一方であった。
本物件は1999年に黒川紀章が設計した「門司港レトロハイマート」が舞台である。再販リノベーションとして1住戸のリノベーション設計をする事になったが、同業の巨匠が手がけた建築として、現調からもリスペクトから入る。黒川紀章の設計思考を読み解くべく周囲を探索し、環境を読み解き、またそこにこれからのあるべき姿を見出した上で、空間を通し黒川紀章への問いかけを行うようなエスキスを繰り返した。関門海峡を目の前にした区画はまさしく絶景である。ただし絶景の区画を建物内に多く取るがあまり海側の間口が狭く、旧間取りでは絶景を堪能できる部屋がリビングのみに限られていた。それは黒川紀章が出した一つの答えだと思う。私はそこに“関門海峡への道”というコンセプトを産み出し、玄関から、キッチンから、リビングから、全ての空間から絶景が見渡せるように腰壁上部を全てガラス張りとした。朝焼けや夕焼け、紫色に染まる関門海峡の空は住居内のガラス全てに反射を繰り返し、玄関まで趣きを運ぶ。玄関土間は区画の中央まで延び、足元は間接照明でアプローチを表し、趣きの発信となる海側の開口部屋まで案内してくれる。「黒川紀章先生、20年後のローカル建築家が出した“関門海峡への道”というリノベーション問答。この答えはいかがでしょか?」
費用 | 700万円(税込) | 物件種別 | マンション |
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リノベーション 形態 |
中古を買ってリノベーション | 家族構成 | 二人暮らし |
築年数 | 26年 | 面積 | 69.08㎡ |
施工期間 | 3ヶ月 |
お問い合わせ先
〒802-0002 福岡県北九州市小倉北区京町1-4-11 ヒガキビル3F
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