部門 | 無差別級部門 |
費用 | プライスレス |
間取り | - |
タイプ | 扉や窓を中心とした、建物素材の再利用スキーム |
費用に含まれるもの |
家全体 / 建具工事や造作家具工事が中心 |
施主支給設備(費用に含まれないもの) |

Beforeコメント:
日本有数の高級住宅地である田園調布に佇み、この街の歴史とともに歩んできた築90年余りの建物。街の風景でもあったそこには、時を重ねたからこその味わいを備えた扉や古い窓、真鍮の取手など丁寧に手入れされた素材の数々と、3世代に渡るある家族のストーリーが溢れていました。事情によりこの土地はご家族の手を離れ、建物の取り壊しが決まっていました。建物は残すことはできないけれど、家族のストーリーを継承し新たな場づくりができたらどんなに素敵なことか…それがこの「家糸(いえいと)プロジェクト」のはじまりです。



Afterコメント:
家糸(いえいと)プロジェクトが目指したのは、ものとストーリーの継承です。
糸のように細くなっても、それを一つ一つ紡ぎ、新しい歴史に取り入れていく。家系図のように、ここから始まる家糸図が新たな物語を紡いでいくことを目指しています。
【1. 一般見学会の開催】たとえ古くても愛着とともに丁寧に手入れを重ねる住まいは、永く家族の暮らしを受け入れる器になること。そして住まいのあるべき姿とは。それを一人一人が考えるきっかけになる、一夜限りの建物見学会とトークイベントを開催しました。
【2. 扉や窓、家のパーツの取り外し】これまでの消費型社会では、ものを「買っては捨て」を繰り返し、住まいにおいては「大量生産」を重ねてきました。かつて最優先されてきた「新しいものこそ価値がある」「手間がかからないものが優れている」といった考え方よりも、「時間という価値とともに記憶や文化を受け継げる」ようなものの選び方や住まいが今求められています。今回は扉や窓を中心に、建物を構成するパーツを一つ一つ丁寧に取り外し、拭き上げ、リペアを施していきました。
【3. 新たな物語を紡ぐ】COMMUNE246のサンドイッチ屋「GARTEN」や、リビタが手掛けるリノベーション住宅でパーツの再利用を始めました。まだまだ小さな芽ではありますが、ゆっくりと紡いでいくとともに、この家糸プロジェクトをパイロットに、エンドユーザーがこういった価値を身近に手にし、積極的に住まいと向き合える仕組みづくりを進めています。
90年余りの間、育まれてきた暮らしの手ざわりや、積み重ねられてきた時間の豊かさは、記事としてWEBサイトで公開中です。
(http://hows-renovation.com/partners/ieito_01/)
物件情報 | |
築年月 | 1925年01月 |
構 造 | 木造2階建て |
リノベーション面積 | 165.00㎡ |
施工期間 | - |
備 考 | パートナー ・NEXTWEEKEND 村上萌 ・石神夏希(インタビュー執筆) ・アラキ+ササキアーキテクツ(ワークショップ協力) ・HandiHouse project(ワークショップ協力) ・一松工業(ワークショップ協力) ・井島健至写真事務所(写真撮影) ※築年数は不詳のため、諸資料や前所有者からのヒアリングによる築年を記載しています。 |