異国同士の『五感』をつなげる、ツールとしての価値を生み出すリノベーション

その他  /   エリア:神奈川県  /   掲載日:2018-08-31

その他  /   エリア:神奈川県

掲載日:2018-08-31

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自分の生まれ育った国から離れ、日本に学びに来る留学生たち。日本語を学び知識を身につけるだけでなく、日本に住んでいるからこそ感じられる、日本の『五感』を知ってもらいたいと考えた。単純に『和』を感じるということではなく、四季の移り変わりの色彩に敏感であったり、木の手触りや匂いを感じたり、間接的な光や陰影があることに美しさを感じる感覚。それらを感じられるために特に色彩には気を使い、彩度が高すぎず視覚刺激を与え過ぎない色、しかし日本の伝統色に寄せすぎず少しの強さを加えた色彩を選定して、異国の人の五感と繋がりやすくなることを目指した。既存の柔らかい光や程よい繋がりのある空間との相乗効果で、時間によって変化する光と影と色の体感ができるようにしている。玄関ポーチには香りの強い木から杉を選定して、帰ってきた時に木の匂いを不意に感じられるとともに、斜めにパターンをつけて貼ることで既存のガラスブロックから入る柔らかな光が微妙で複雑な陰影をつくり出し、より木に囲まれた感覚を感じられるようにしている。既存の空間の持つ『五感』の要素と新しい素材と色彩を融合させ、日本で古くから大事にされてきた感覚に日常的に触れることで、リノベーション前には意識されなかった、細やかなことにも意識が向くようになったという。このリノベーションでは、異国同士の『五感』をつなげる、ツールとしての価値が生み出されている。

BEFORE


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「横浜国際教育学院」に学びに来る外国人留学生の、女子寮として使われている建築物。築50年のRC造の建築物で、内装に関してはかなり劣化していたが、玄関ポーチからエントランス空間へ入り込む光の柔らかさや、見えすぎず、閉ざされすぎない階段室との繋がりの空間など、ところどころに『五感』を感じさせる要素があり、それを生かしながら、他国と日本の『五感』を繋げていくことを考えた。

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • ブロックの壁を壊さない前提で計画を始めたため、基本的な間取りは変わっていないが、浴槽を使わないことから浴室はシャワー室にしている
    • 費用
    • 2900万円(税込)
    • 形態
  • 費用に含まれるもの
  • 水まわり / 居室・その他 / 屋外 / 断熱改修
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1969年1月
    • 構造
    • 鉄筋コンクリート造
    • リノベーション面積
    • 244.01
    • 施工期間
    • 2017年12〜2018年3月
    • 備考

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