北欧家具との調和を考え、内装はどのお部屋も漆喰、そして杉フローリングで統一。造作建具やアイアンも同じ雰囲気にし、シンプルで洗練された「スローライフ」を物語る生活空間が生まれました。以前のお住まいよりも狭くなるため、物を減らし「自分達にとって本当に好きなもの」を大事にする暮らしを目指されました。コンクリート土間の素朴な感じが好きな奥様。動線に配慮し、回遊可能な玄関土間に。ガラスドアからシューズクローゼットが覗き見れて、立ち寄りたくなるヨーロッパの靴屋さんのようです。そんな風にお施主様の「暮らしを楽しみたい」という気持ちが隅々に溢れています。階段を登る際に、1階のキッチンダイニングが見えるように"抜け"を作りました。2階リビングも、解体で現れた立派な梁の勾配天井を生かし"抜け"を作りました。夜帰宅の遅いご主人様が、寝ている子供たちを起こさないため、家族がそろうリビングと、ご夫婦でゆったり過ごせるキッチンダイニングが分かれた間取りです。
コンパクトで、ものを持ちすぎない。気に入ったものだけ所有する暮らし。ぴったりと寄り添って、仲良く暮らされている。どうしても面積の大きさや物件の価格などで比べてしまう価値観があるなかで、そういった枠組みとは別の尺度での価値観が存在することを教えられたリノベーション例です。
BEFORE
新居として購入したお家は築50年で傷み、さらには住居スペース約18坪の狭小住宅。小学生のお子様を2人もつご夫婦としては、「この狭い空間で家族4人が狭さを感じずに暮らせるのか」「これから20年、30年と安全に暮らせるのか」は本当に大きな課題でした。何といっても、ご家族が憧れているのは、外国風・カフェ風デザインを取り入れながら、ゆったりと家具や時間を愛しむライフスタイルです。そして、耐震診断結果は、旧耐震基準で評点0.29。地震が起きれば、1階が「倒壊する可能性が高い」という結果になりました。