リノベーション・サービスを提供する会社は全国で増加していますが、一方で既存の工務店、ディベロッパーがユーザーマインドをキャッチアップしていない側面も見られます。そこで、DAIKENの様な大量生産を得意としているメーカーとコラボレーションし、建材を企画開発することで、リノベーションがより身近な存在になるのではないかと考えました。汎用的なメーカー規格品には、スピーディーに施工ができ、技術習得を短縮できるメリットがあります。また、今までリノベーションが難しかったところへも可能にするというのも大きな目的の一つであり、DAIKENと3つのカテゴリーに分けて新製品を考えていきました。1つ目は、今のメーカー規格品マーケットにはないものの、人気のあるモノの新規開発です。スチールのインナーサッシに代わる製品として、軽く、安全で、施工がしやすい、アルミ製の「ラインフレーム」を開発しました。2つ目は、既に商品としてあるモノの意匠をブラッシュアップしました。具体的には、質感を高めたモールディングドアです。3つ目は、既存の製品をそのまま活用し、発想を変えれば使えるものが意外とあると考え、下駄箱に着目しました。下駄箱を上につけて下の空間を活かす提案をしています。
メーカー規格品であっても、リノベーションで使用される美観、意匠的に近いものが提供でき、それにより、新しいマーケットが生まれることも期待しています。
BEFORE
いま日本は、大量消費を前提としたフロー型社会から、価値あるモノをつくり、長く大切に使っていく”ストック型社会”へと移行し始めています。服も家具も”新品じゃなくてもいい”という感性を持つ人々が増え、更に、車や住まいを”シェアする”という考え方も広まりを見せ始めています。
これからは、良いものを蓄積(ストック)し、シェアし、リユースしていく循環型の消費スタイルがスタンダード。
人口減少時代を迎え、今後も増え続ける中古住宅(ストック)を活かし、次世代へ引き継いでいく”リノベーション”というライフスタイルは、ストック型社会のあるべき住まい方となりつつあります。