<住まいを選ぶことは、生き方を選ぶこと>
タワーマンションブームなど、皆が同じ選択をする時代を経て、今では多様化するライフスタイルの中で、住まいを自己表現の場として捉える方も多くなったように思います。住まいは大切な時間を過ごす場所です。どんなに忙しくて家にいる時間が短い方でも、その時間が住まう方の気持ちに影響を与え、人格すらも形作ってゆく。それは、生き方を選ぶことだと考えます。
今回考えたのは、心からの寛ぎと高揚感を併せ持つ空間です。お気に入りのホテルで過ごしたひと時のような、贅沢な時間を過ごして頂きたいと思っています。非日常だった時間を、住んだその日から日常へと変えるリノベーションマンション。LDKと居室のつながりを演出する空間の仕切り方と、厳選された家具とアート作品までコーディネートしたまるで雑誌の1ページのような空間に仕上げました。毎日そこに立つだけで幸せな気持ちになれる、魅せるキッチン。ベッドルームは書斎の仕切り方を床のレベル差と籐のパーティションでゆるやかに仕切ることで、プライバシーは守りつつ、空間の広がりを保てる設えにしました。隠してしまいがちな寝室や浴室を見せることで、生活への美意識も変わっていきます。
ただ、住まいを提供するだけでなく、そこでの「住まい方」をプロデュースする。「自分らしい生き方」がここから始まることを願っています。
BEFORE
西麻布最上階角部屋。86.10㎡の本物件は条件を最大限に引き出すべき要素がありました。
各居室を仕切り、キッチンは独立型。本物件を住みこなす「好奇心を失わない大人」には窮屈な間取りでした。南向きの大きな開口により昼間は明るく、L字のバルコニーはキッチン、リビング、洋室まで広がり、住戸内の広がりをさらに演出してくれます。39年の月日の間に酸いも甘いも経験したこの場所で、既成概念に囚われない大人のためのスイートルームを設えます。
